AIブームが来年も米国の株価と経済後押し、政府債務増加はリスク=BII
ロイター / 2024年12月5日 8時8分
来年の米国は引き続き人工知能(AI)ブームが株価と実体経済を支えるが、政府債務増加が下方リスクになる――。資産運用世界最大手、米ブラックロックの調査部門ブラックロック・インベストメント・インスティテュート(BII)は12月4日公表したリポートで、こうした見通しを示した。11月22日、ニューヨーク証券取引所で撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
12月4日(ロイター) - 来年の米国は引き続き人工知能(AI)ブームが株価と実体経済を支えるが、政府債務増加が下方リスクになる――。資産運用世界最大手、米ブラックロックの調査部門ブラックロック・インベストメント・インスティテュート(BII)は4日公表したリポートで、こうした見通しを示した。
AI技術の発展は欧州株よりも米国株に大きなメリットをもたらしそうで、AI関連インフラの資金調達ではプライベート市場の役割が高まる一方になると予想している。
BIIは「AI(分野への投資)テーマが広がる中で、われわれはリスクオンの姿勢を維持し、米国株をさらにオーバーウエートに傾ける」と述べた。
米経済については、来年やや勢いが鈍るかもしれないが、米連邦準備理事会(FRB)は根強いインフレのために大幅な利下げには動けそうになく、現在4.5─4.75%の政策金利が4%を割り込むとは想定していない。
その一方で地政学的な分断やインフラ投資による物価上昇圧力の継続は、債券市場を圧迫しかねない。
ブラックロックのチーフ投資ストラテジスト、ウェイ・リー氏は「われわれは金利再調整の動きと、予想物価や市場のボラティリティー上振れにつながる恐れがある(トランプ次期政権の)さまざまな関税の発表を注視している」と説明した。
BIIによると、投資家は長期国債保有に際して物価高と財政赤字拡大に見合うより高いプレミアムを要求しそうで、長期国債利回りに上昇圧力が加わる公算が大きい。このため「われわれは米長期国債をアンダーウエートにするとともに、長期債利回りの高騰はわれわれの(経済に対する)明るい見方にとってリスクとみなしている」と明かした。
ブラックロックは米国債よりも米社債や英国債など他の先進国の政府債を選好。株式ではハイテクやヘルスケアといったセクターを評価し、株価下落に対するリスクヘッジ手段として金やビットコインといった資産が政府債の代わりになると認識している。
この記事に関連するニュース
-
トランプ次期大統領の財政政策への期待値だけではない…〈利下げ開始〉後も米金利が上昇し続けるワケ【マクロストラテジストが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月23日 9時15分
-
アングル:「トリプルレッド」で米債務上限巡る政治対立は回避か
ロイター / 2024年11月15日 7時20分
-
トランプ氏勝利後急騰の米小型株、インフレ再燃懸念で慎重論も
ロイター / 2024年11月14日 8時6分
-
台湾株などが上昇する一方、インド株や香港株などが下落 ~アジア・マーケット動向の振り返り【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月11日 10時25分
-
アングル:トランプ財政政策に「債券自警団」再来か、4.5%が警戒ライン
ロイター / 2024年11月8日 18時20分
ランキング
-
1焦点:日産の低迷招いた戦略ミス、巻き返しへ内田社長に正念場
ロイター / 2024年12月5日 13時8分
-
2GM、中国事業で特別損失を計上 販売不振で7500億円超
共同通信 / 2024年12月5日 8時24分
-
3発電最大手JERA、電力取引で「相場操縦」の深層 4年半もルール違反、ユーザーの利益侵害も
東洋経済オンライン / 2024年12月5日 7時40分
-
4タワマン高騰の果て「不動産大暴落」が訪れる条件 需給バランス崩壊で価格は本当に下がるのか
東洋経済オンライン / 2024年12月5日 11時30分
-
5「おでん」の政権交代? 主戦場はコンビニから外食へ ユニークなお店が続々と生まれる背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月5日 6時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください