トランプ氏が入院先から車で一時外出、支持者に手を振る 容体は不明

ロイター / 2020年10月5日 11時25分

 新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領の治療に当たっている医師団は10月4日、大統領が2日に酸素吸入を受けたことを確認し、肺の状態を注視していると明らかにした。写真は、入院先のウォルター・リード軍医療センターの前で車中から支持者に手を振るトランプ氏(2020年 ロイター/Cheriss May)

[ワシントン 4日 ロイター] - 新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領(74)は4日、入院先のウォルター・リード米軍医療センターの前を車で通過し、周辺に集まっていた支持者らを驚かせた。トランプ氏が公の場に姿を見せるのは2日に入院してから初めて。

トランプ氏はマスクをして後部座席に座り、手を振って支持者に謝意を示した。支持者はトランプ氏の車列がゆっくりと進む中、同氏の再選を応援する旗を振り、「USA!USA!」と声を上げた。

トランプ氏はこの直前にツイッターに投稿した動画で、「非常に興味深い体験だ。新型コロナ感染症について大いに学んだ」と述べていた。

<容体は不明>

この数時間前、治療を担当する医師団は、トランプ氏が2日に酸素吸入を受けたことを確認し、肺の状態を注視していると発表した。

投与期間5日の抗ウイルス薬「レムデシビル」をこれまでに2日投与したほか、重症患者に使用されるステロイド薬「デキサメタゾン」の投薬を3日から始めたことも明らかにした。

主治医のショーン・コンリー氏は記者会見で、トランプ氏の血中酸素濃度が一時低下し、2日午前に高熱が見られたことを確認し、当初の説明より実際には症状が重かったことを認めた。その上で、トランプ氏は回復していると述べた。

トランプ氏の容体を巡っては、医師やホワイトハウス当局者の説明に食い違いがあり、どの程度深刻なのか情報が交錯していた。

コンリー氏は自身の当初の説明について「医師団と大統領の前向きな姿勢を反映しようとしていた」とした上で、情報を隠そうとしていたわけではないと釈明した。

トランプ氏の肺の状態についてどのような検査結果が出ているかとの質問に対しては「想定されていた結果がある程度見られるが、大きな懸念材料はない」と述べるにとどめ、詳細には踏み込まなかった。

ジョンズ・ホプキンス大学の感染症専門家はコンリー氏のコメントについて、X線検査で肺炎の兆候が見られることを示唆していると指摘。「問題がなければ正常だと答えるだろう」と述べた。

トランプ氏の治療に関わっていない他の医師らは、トランプ氏にデキサメタゾンとレムデシビルが投与されていることなどから、容体は深刻との見方を示す。

トランプ氏の医師団は、早ければ5日にも同氏がホワイトハウスに戻れる可能性があるとしたが、この見通しに懐疑的な専門家もいる。

<無責任ぶり>

トランプ氏が今回、治療中にもかかわらず、車で外出したことへの批判が出ている。入院先の医師は「無責任さに驚く」とツイッターに投稿した。

ホワイトハウスの報道官は、外出は医療スタッフの承認を受けており、適切な予防策の下に行われたと説明した。

一方、ニュージャージー州の保健当局は、トランプ氏が1日に開いた資金調達イベントに参加した200人以上の追跡に努めている。トランプ氏は側近のヒックス氏が新型コロナに感染した後にこのイベントに出席していた。

ホワイトハウスの報道官はFOXニュースに対し、トランプ氏はこのイベントの後に新型コロナ陽性と分かったと語った。

<「攻め」の選挙戦継続へ>

11月の大統領選に向け、最新の世論調査で民主党候補のバイデン前副大統領がトランプ氏に対するリードを広げる中、トランプ陣営は、ペンス副大統領やトランプ氏の家族が今週、「攻め」の選挙戦を展開すると表明した。

ペンス氏は7日に民主党副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員との討論会に臨む。

バイデン氏は、2日に遊説したミシガン州ではトランプ氏を直接批判することを控えたが、3日の演説ではトランプ夫妻の回復を願うとした上で、政権のコロナ対応を批判した。

バイデン氏の陣営は、4日に行った新型コロナウイルスのPCR検査で同氏が陰性だったと発表。2日に行った2件の検査でも陰性だったという。

トランプ氏の新型コロナ感染発表を受けたロイター/イプソスの全米世論調査では、大半の回答者がトランプ氏が新型コロナをもっと深刻に受け止めていれば感染は防げたとの見方を示した。また、バイデン氏のトランプ氏に対するリードは10ポイントに拡大、ここ1カ月で最大となった。

*内容を追加します

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