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中国のアントIPO延期、個人投資家の間で衝撃

ロイター / 2020年11月5日 14時48分

 11月5日、中国アリババ・グループ傘下の金融会社アント・グループの上場を中国当局が突然延期したことを受け、新規株式公開(IPO)に応募した個人投資家の間では衝撃が広がっている。写真はアント・グループのロゴ。浙江省の杭州で10月撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

[香港 4日 ロイター] - 中国アリババ・グループ 傘下の金融会社アント・グループの上場を中国当局が突然延期したことを受け、新規株式公開(IPO)に応募した個人投資家の間では衝撃が広がっている。

アントは5日に香港と上海市場で重複上場を予定していたが、上海証券取引所は3日、アントの新規株式公開(IPO)を延期。これを受け、アントの香港IPOも延期された。アントの調達額は過去最高の約370億ドルに上る見通しだった。[nL4N2HP38X]

複数の関係筋によると、中国金融当局は2日にアリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏らと面会し、アントのオンライン融資事業を一段と厳しく監視すると伝えていた。

タクシー運転手から学生まで、両市場の個人投資家は、貯蓄や銀行・証券会社などから借り入れた資金を使って、一生に一度の投資機会とみたアントIPOに応募していた。

香港在住の21歳の学生は「今回の状況は中国市場の深い問題をあらわにし、大型IPOを行う経験がないことを浮き彫りにした」と語った。その上で、アントに再度投資するつもりはなく、米国や欧州、日本の株式市場に投資する考えを示した。

中国本土では、アントの今後の発展を圧迫する主な要因としてビジネス環境の変化を挙げる声が聞かれたが、一部の投資家は引き続きアントへの投資に前向きな姿勢を示した。

北京在住の21歳の学生投資家は「アント・フィナンシャルの市場シェアの大きさを考えると、個人的には再び投資するだろう」と述べた。

アントのIPOは、個人投資家による応募額が過去最高の3兆ドルに達した。本土や香港の金融機関が多額のマージンローンを提供したことが背景にある。

銀行業界筋によると、香港では0.4─0.5%の金利で期間10日前後のローンを提供し、最大30倍のレバレッジで貸し付ける銀行も一部で見られたという。

アントは香港証券取引所への4日の発表で、香港IPOへの応募資金は金利なしで数日中に返金すると表明した。

香港の複数の証券会社は、アントIPOに応募した個人投資家について手数料とマージンローンの金利を免除する方針を示している。一方、HSBC と中国銀行(香港)<2388.HK>は、マージンローンの金利を徴収するとしている。

不動産管理に携わる40代の男性は、上場延期は政治的なものだと指摘。秘書として働く37歳の女性は上海取引所の延期措置について「ジョークだ」と批判し、「アントが上場することになっても、再び応募するかどうか分からない。ビジネスモデルが変わるなら、魅力が低下するかもしれない」と語った。

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