NTT、4━12月期純利益は過去最高 ドコモの非通信分野など寄与
ロイター / 2021年2月5日 17時34分
NTTは5日、2020年4─12月期の営業利益が前年同期比3.6%増の1兆5023億円だったと発表した。写真は、同社のロゴ。2020年9月29日に都内で撮影。(2021年 ロイター/Issei Kato)
[東京 5日 ロイター] - NTTは5日、2020年4─12月期の営業利益が前年同期比3.6%増の1兆5023億円だったと発表した。NTTドコモで決済サービスなど非通信分野が伸びたほか、海外収益の改善が寄与した。営業増益にドコモの完全子会社化に伴う少数株主利益の取り込みで、純利益は同4.3%増の8311億円で過去最高となった。
NTTの澤田純社長は同日の決算会見で「現時点では収益・利益ともに想定より好調に推移している」と説明した。新型コロナウイルスの影響によるドコモの端末機器販売収入や海外でのシステム構築(SI)収入の減少などで、売上高は同1.4%減の8兆7380億円だった。
ドコモは減収・増益だった。営業利益は同4.3%増の8218億円。ユーザー還元の影響や販売方法の見直し、コロナの影響による販売減や国際ローミング収入の減少などが重しとなったが、光回線や非通信分野が拡大し、増益となった。会見に同席した井伊基之社長は「年間予想に対して順調に進捗している」と述べた。
第5世代(5G)通信網の契約数は2月4日時点で185万契約となった。年度末に250万契約を計画しており、こちらも「順調な進捗」(井伊氏)だという。番号ポータビリティ(MNP)の動向は「12月以降は、新料金プランの発表や学割の施策でプラスに転じている」(井伊氏)という。MNPがプラスとなるのは09年1月以来12年ぶりとなる。
新料金プラン「ahamo(アハモ)」は3月26日に提供を開始する。事前のエントリーは同日に100万を突破した。対応する端末は3月1日に発表する。
NTTの地域通信は、東西ともに光回線の純増を受けて10年ぶりに増収となった。設備の大容量化に伴う除却などがあり減益となったが、「第2四半期、第3四半期と増益基調で想定を上回る進捗」(NTTの澤田社長)とした。長距離通信は、前年度に実施した海外での構造改革によって利益が改善し、減収・増益だった。NTTデータの増益も寄与した。
NTTの21年3月期通期の連結営業利益(国際会計基準)予想は前年比1.8%増の1兆5900億円で据え置いた。NTTの澤田社長は、計画据え置きの背景として、コロナ禍の先行きの注視が必要と説明する一方、「計画を上回るべく取り組んでいく」と述べた。
IBESがまとめたアナリスト15人のコンセンサス予想では、21年3月期の連結営業利益の平均値は1兆6180億円。
期末配当予想は1株当り年初想定から5円増額の55円とした。年間配当予想は105円で前期実績から10円増配となる。配当方針では継続増配を基本としており、ドコモの完全子会社化による増益要因もあって、業績が順調に進捗したことを反映した。
*内容を追加しました。
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