世銀、中南米諸国の成長率予測を上方修正 インフレ対策奏功

　世界銀行は１０月４日、中南米・カリブ海諸国の２０２３年成長率予想を従来の１．４％から２．０％に引き上げた。写真は世銀のロゴ。２０１８年１０月、インドネシアのバリ島で撮影（２０２３年　ロイター/Johannes P. Christo）

Rodrigo Campos

[ニューヨーク ４日 ロイター] - 世界銀行は４日、中南米・カリブ海諸国の２０２３年成長率予想を従来の１．４％から２．０％に引き上げた。早期に金融引き締めに動いてインフレ対策に成功したことを理由に挙げた。

世銀の報道官は、ブラジルやチリなどが既に金融緩和に転じていることも成長率を押し上げると説明した。

国内総生産（ＧＤＰ）に対する債務残高は６４％と前年の６７％から低下しているが、１９年に記録した５７％は依然上回っている。先進国で高金利が続くと見込まれる中、債務返済負担は増加する見通し。

潜在成長率達成に必要な投資が不足しているとも指摘。デジタルコネクティビティー（接続性）を高めることでより包括的な地域社会が築けると説明した。

ただ、テクノロジーへのアクセスは特効薬ではなく、教育へのアクセス拡大も重要だとし、「農村部や貧困地域、女性のデジタルリテラシーがかなり低い」と指摘した。