英規制当局、クラウド市場支配でアマゾンとマイクロソフトの調査要請

１０月５日、英国の情報通信庁（Ｏｆｃｏｍ）は、米国のアマゾンとマイクロソフトが英国のクラウド市場を支配しているとして競争・市場庁（ＣＭＡ）に調査を要請した。写真はアマゾンウェブサービスのロゴ。２０２２年２月撮影（２０２３年　ロイター/Dado Ruvic）

［ロンドン　５日　ロイター］ - 英国の情報通信庁（Ｏｆｃｏｍ）は５日、米国のアマゾンとマイクロソフトが英国のクラウド市場を支配しているとして競争・市場庁（ＣＭＡ）に調査を要請した。

同庁は国内企業が複数のクラウド企業のサービスを利用することが難しくなっていると指摘。

「競争に悪影響がないかＣＭＡが独自調査を開始し、悪影響があれば、行動を起こすべきか、他の機関に行動を勧告するかを決める」と表明した。

同庁は昨年、クラウドサービスの調査を開始。４月の中間報告で、市場シェアを踏まえアマゾン・ウェブ・サービス（ＡＷＳ）とマイクロソフトの慣行を特に懸念しているとし、ＣＭＡに調査を委託する方針を示していた。

国内企業からはクラウドサービスの乗り換えや組み合わせが難しいとの懸念の声が出ているという。

ＣＭＡは情報通信庁の要請を歓迎。多くの企業がクラウドサービスに完全に依存しており、効果的な市場の競争が不可欠だと述べた。

同庁によると、英国のパブリッククラウドのインフラサービス市場では昨年、ＡＷＳとマイクロソフトの合計シェアが７０―８０％に達した。３位はグーグルで市場シェア５─１０％。

ＣＭＡは２０２５年４月までに調査を終える方針を示した。

アマゾンは、情報技術（ＩＴ）セクターの機能の仕方などを巡る「根本的な誤解」に基づいているとしてＯｆｃｏｍの見解に反論。不当な介入は顧客と競争に意図しない害を及ぼす可能性があると主張する一方、調査に協力する考えを示した。

マイクロソフトは英国のクラウド業界が革新的で高い競争力を維持できるよう尽力し、「ＣＭＡと建設的に関わっていく」としている。