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アングル:高齢が懸念材料のバイデン氏、民主党には「プランB」なし

ロイター / 2023年12月5日 18時27分

 11月30日、バイデン米大統領が何らかの理由により2024年大統領選挙での再選をめざさないと決意したとしても、民主党には「プランB」が存在しない。ホワイトハウスで11月27日撮影(2023年 ロイター/Evelyn Hockstein)

Jeff Mason

[ワシントン 30日 ロイター] - バイデン米大統領が何らかの理由により2024年大統領選挙での再選をめざさないと決意したとしても、民主党には「プランB」が存在しない。バイデン氏に代わる総大将を用意する必要が突然生じれば、面倒な党内抗争が勃発する可能性がある。

世論調査での支持率が低迷し、党内からでさえ聞こえてくる高齢への不安にも関わらず、バイデン氏は自らの再選をめざす計画を堅持している。

これから新たな民主党候補が急きょ参戦するとしても、ネバダ州、サウスカロライナ州、ジョージア州といった重要州で予備選挙への登録が締め切られてしまっているため、その前途は視界不良だ。

共和党は2020年にバイデン氏に敗れたドナルド・トランプ氏を候補に指名する可能性が濃厚だが、バイデン氏の忠実な支持者は、大統領就任以来の実績を理由として、勝利に向けたプランBは不要だと主張する。

81歳になるバイデン大統領が万が一撤退してしまった場合、想定されるシナリオの1つは、民主党が党規約に従い、来年8月の党大会、あるいはさらに後の時期に、別の候補者を指名することだ。

ロイターが取材した複数の民主党現・元職員はバイデン氏の成功を望んでいると明言しつつも、米国史上最高齢の大統領が選挙期間中に健康問題に直面するか、それ以外の理由で撤退を余儀なくされた場合に、民主党は大混乱に見舞われる可能性があると認めた。

バイデン氏とともに再選をめざすカマラ・ハリス副大統領は、自らも支持率の低さという悩みを抱えており、バイデン氏が撤退した場合に自動的に正大統領候補に昇格するとは限らない。バイデン氏抜きにハリス氏が大統領をめざす場合、2人で共に培ってきた選挙基盤による恩恵を受けられるだろうが、他の民主党候補が参戦してくる可能性は高い。

ある民主党幹部はロイターに対し、「プランBは存在しない。もしバイデン氏が突然出馬を取りやめたら、ご存知の面々が出てくるだろう。ハリス副大統領を恐れる者はいない」と語った。

民主党の予備選が進んでいる段階でバイデン氏が撤退した場合、各州の立候補届出要件にもよるが、他の候補者の参戦も可能になる。

大統領選挙に向けた選挙陣営の立ち上げと選挙資金の調達には通常数カ月を要する。カリフォルニア州やイリノイ州、ミシガン州といった重要州の立候補届け出期限は数週間以内に迫っている。

いくばくかの不安は抱えつつも、民主党関係者は現大統領支持で団結しているという。さもなければ、すでに大物ライバルが予備選に参戦していたはずだ、と。

バイデン陣営で広報を担当するダニエル・ウェッセル氏は、「ジョー・バイデン氏は民主党の候補者となり、たとえ共和党がどのようなMAGA過激派を立ててきても勝利するだろう」と言う。「MAGA」は「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again)」というドナルド・トランプ前大統領のスローガンを意味する。

共和党の大統領候補指名争いでトップを走るトランプ氏も77歳という高齢であり、機密文書の不適切な扱いや、バイデン氏に敗れた2020年大統領選挙における選挙干渉などをめぐる多数の訴訟といった問題を抱えている。同氏はこうした容疑を否認している。

共和党の予備選では多くの候補者がトランプ氏に挑戦しており、万が一トランプ氏が撤退しても、代替となる選択肢はすでに用意されている。

<国益として最善か>

現政権にとっては残念なことに、バイデン氏の高齢は、2024年大統領選挙で決定的な争点となってしまった。

オバマ政権で大統領上級顧問を務めたデビッド・アクセルロッド氏は、11月の世論調査では鍵となる激戦州でバイデン氏がトランプ氏に対して後れを取っている点を指摘し、再選をめざすことが賢明なのかどうかバイデン氏は判断する必要があると述べた。

アクセルロッド氏はX(旧ツイッター)に、「バイデン氏が出馬を止めないならば、民主党の候補指名は得られるだろう。彼が判断すべきことは、それが賢明かどうかだ。それが自分自身にとっての最善の利益なのか、それともこの国にとっての最善の利益なのか」と投稿した。

2月に行われた健康診断では、バイデン氏の健康は良好で「任務に耐えうる」という結果が出ている。

バイデン氏はこれまでずっと、民主党の候補者としてトランプ氏に勝てる可能性は自分が一番高いと考えているが、ロイター/イプソスが11月7日に実施した世論調査では、バイデン氏の支持率は4月以降で最低の39%を記録した。

民主党の予備選は2月に始まる。バイデン氏は予備選に快勝して候補指名を獲得すると予想される。世論調査では、バイデン氏に挑戦すべく予備選への出馬を表明した作家のマリアンヌ・ウィリアムソン氏、ディーン・フィリップス下院議員に大差をつけている。

2024年6月に実施される終盤の予備選の後でバイデン氏が撤退した場合、民主党の代議員はシカゴでの党大会で別の候補者に自由に投票することになる。

党大会以前にバイデン氏が撤退すれば、ハリス氏、ニューサム・カリフォルニア州知事など多数の政治家の間で、候補指名をめざして4000名を超える民主党代議員の票の争奪戦が繰り広げられるのはほぼ確実だ。

そうなったとしたら、党大会に出席する代議員があらかじめ決められた通りの投票ではなく、本当に自分自身で候補者を選んだ時代に戻る契機になるかもしれない。

ブルッキングス研究所の上級研究員で、民主党全国委員会にも名を連ねる選挙専門家のエレーヌ・カマルク氏は、「バイデン氏が党大会前に撤退すれば、誰に投票するべく選出されたかに関わらず、代議員が実質的に(投票先を)自分で決めるという、昔ながらの党大会を開催することになる」と語る。

そうなれば党内抗争が勃発し、民主党も、候補者が時間と資金を費やしてお互い戦うという、共和党に酷似した状態に陥りかねない。

さらに事態が複雑になるのは、バイデン氏が何らかの理由で党大会後に離脱した場合だ。『予備選の政治学(Primary Politics)』という著書のあるカマルク氏によれば、その場合には民主党全国委員会のメンバー435名が、特別の会合を経て候補者を選出するという。

候補者の交替には前例がある。

1972年、民主党大統領候補ジョージ・マクガバン氏の副大統領候補だったトーマス・イーグルトン上院議員(当時)は、うつ病治療中であることが明らかになり、選挙戦から撤退した。

民主党全国委員会は空席となった副大統領候補を決めるべく緊急会合を開き、サージェント・シュライバー氏を後任に選んだ。マクガバン候補は落選した。

バイデン氏の「代役」として特に活発に動いているのがカリフォルニア州知事のニューサム氏で、共和党大統領候補であるフロリダ州知事ロン・デサンティス氏を派手に攻撃している。両知事は30日にテレビ放映された討論番組に出演しているが、大統領候補として出馬表明していない立場としては異例の行動だ。

ある民主党幹部は、「バイデン氏を全力で応援するニューサム氏のように、いま私たちが目にしている多くの『代役』の活動は、民主党支持者たちに対して自分たちも選択肢であることを印象づけるための動きだ」と語る。

(翻訳:エァクレーレン)

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