米FDA諮問委、MDMAを利用したPTSD療法の承認勧告せず
ロイター / 2024年6月5日 14時12分
米食品医薬品局(FDA)の外部専門家からなる諮問委員会は4日、心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者向けに合成麻薬MDMAを利用する治療法の承認を勧告しない方針を決めた。写真はFDA本部で20年撮影。(2024年 ロイター/Andrew Kelly/File Photo)
Sriparna Roy
[4日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)の外部専門家からなる諮問委員会は4日、心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者向けに合成麻薬MDMAを利用する治療法の承認を勧告しない方針を決めた。
採決では委員10人が承認に反対し、賛成は1人だった。諮問委は、効果がリスクを上回っていないと指摘。委員11人のうち9人が、入手可能なデータは同薬のPTSD患者への有効性を示していないとした。
MDMAは違法な使用で知られているが、精神疾患の治療に使える可能性が長年注目されてきた。
この治療法で使うカプセル状のMDMAはライコス・セラピューティクスが開発。有資格の精神医療従事者との対話療法と併用する形で治療が行われる。
臨床試験では、対話療法に加えてMDMAを服用した190人超の患者には、プラセボ(偽薬)群と比べてPTSDスコアの大幅な低下が見られた。
だがFDAの審査官は5月31日、MDMAの幻覚作用により、患者はMDMAを投与されたかプラセボを投与されたかが分かってしまうため、薬物の効果を客観的に判断できなくなっていると懸念を表明した。
またFDAは、薬物の乱用に関連した有害事象に関する文書が著しく不足しているため、MDMAの効果を説明したり、乱用される傾向を判断したりするFDAの能力が限られる可能性があると指摘した。
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