原油先物が下げ幅拡大、米景気後退を警戒 中東の緊張が下支え
ロイター / 2024年8月5日 15時49分
8月5日、原油先物は下落して推移している。フランス・トリゲールで6月14日撮影(2024年 ロイター/Benoit Tessier)*英文の訂正により見出しと写真キャプションの「8カ月ぶり安値近辺」を削除します。
Florence Tan
[シンガポール 5日 ロイター] - 5日の原油先物は下げ幅を拡大している。下落して推移している。世界最大の原油消費国である米国の景気後退(リセッション)への警戒感が高まっている一方、中東情勢の緊迫化で供給に影響が出るとの見方が広がっている。
0605GMT(日本時間午後3時05分)時点で北海ブレント先物は1.04ドル(1.4%)安の1バレル=75.77ドル。米WTI先物は1.09ドル(1.5%)安の72.43ドル。
INGのアナリストは低調な7月の米雇用統計を受けて米景気後退懸念が高まり、「石油市場で根強い中国の需要を巡る懸念が一段と強まった」とメモで指摘した。
世界的な景気回復の鈍化により燃料消費が落ち込むとの懸念から、原油価格は下落。石油需要の伸びに最大の貢献をしている中国でのディーゼル燃料消費の落ち込みも原油相場を圧迫している。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要な産油国で構成する「OPECプラス」プラスが、10月から自主減産を縮小する計画を維持したことも弱材料となっている。
その一方で中東の地政学的リスクが原油相場を下支えしている。パレスチナ当局によると、イスラエル軍は4日、パレスチナ自治区ガザの学校2校を空爆し、少なくとも30人が死亡した。
オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)のアナリストは「ガザ紛争が激化すれば、原油輸出に影響が出る可能性がある」とメモで述べた。
米エネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズの週間データ(2日までの週)によると、国内石油・天然ガス掘削リグ稼働数は前週比3基減の586基となった。減少は3週ぶり。
IGの市場アナリスト、トニー・シカモア氏は「(中東の)紛争が拡大するリスクはまだ小さいとは思うが、無視できない」とし、現時点では大きな「テールリスク」があると述べた。
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