SUBARU、円安で4─6月期の営業利益は7.9%増 通期予想は維持
ロイター / 2024年8月5日 16時24分
SUBARUが5日発表した2024年4─6月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比7.9%増の911億円だった。為替の円安効果が寄与した。写真は同社のロゴ。ニューヨークのマンハッタンで昨年4月撮影(2024年 ロイター/David 'Dee' Delgado)
Maki Shiraki
[東京 5日 ロイター] - SUBARU(スバル)が5日発表した2024年4─6月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比7.9%増の911億円だった。為替の円安効果が寄与した。足元での為替相場の変動が大きく、今後の市場環境も見通しにくいとして25年3月期通期の連結業績予想は据え置いた。
4─6月期の営業利益は、円安が前年同期から409億円押し上げた。水間克之専務執行役員は決算会見で、足元の為替の変動が激しく、「非常に見通しが立てにくい」と指摘。販売奨励金(インセンティブ)を含めて今後の市場環境の動向は「さらに見極めが必要」とし、通期予想は据え置いたという。足元での円高・ドル安を受け、「しっかり利益を出せるよう実力をつけて対応する」と述べた。
4─6月期の世界販売は前年同期比10.2%減の21万2000台。このうち米国は同9.8%減の14万7000台だった。スバルにとって、米国は主力市場で販売全体の約7割を占める。群馬製作所内で完成車をつくる矢島工場(群馬県太田市)で2月に労働災害事故が発生し、同所内の操業を停止。4月まで国内生産のペースを落としたため、国内からの米国輸出が減ったことが響いた。米国生産は15%増えたが、国内生産は10.5%落ち込んだ。
ただ、国内生産の減速は年間計画に織り込み済みで、通期の世界販売計画は前年比0.4%増の98万台と従来通り。水間氏は「今後、本格投入する新型『フォレスター』もプラス材料になる。これから挽回していく」と語った。
水間氏はまた、「気にしているのは米国の株安だ。消費、特に自動車を含む比較的高額な消費に影響がある」とする一方、スバルの顧客は「クレジットスコア(返済力の信用度)の高い顧客が多いので、景気への耐性は大きい」とも語った。
米大統領選の影響に関しては「コメントは差し控える」とした上で、「特に政治的なイベントの有無に関わらず(米国での状況の影響は)避けることができない。柔軟に対応する」と述べた。
会社側の通期の営業利益予想は4000億円で、IBESがまとめたアナリスト17人による事前予想の平均値4839億円を下回っている。
通期の想定為替レートは従来通りで1ドル=142円(前期は144円)、1ユーロ=153円(同154円)。スバルの場合、対ドルで1円動くと営業利益が110億円変動する。
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