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焦点:英中銀利下げで景気回復に期待感、インフレ警戒感は消えず

ロイター / 2024年8月5日 14時17分

イングランド銀行(BOE、中央銀行)が1日、過去4年余りで初めての利下げに踏み切ったことは、長らく低迷している英国の景気に慎重ながらも楽観的な見方をもたらしそうだ。写真は中銀のベイリー総裁。同日代表撮影(2024年 ロイター)

[ロンドン 2日 ロイター] - イングランド銀行(BOE、中央銀行)が1日、過去4年余りで初めての利下げに踏み切ったことは、長らく低迷している英国の景気に慎重ながらも楽観的な見方をもたらしそうだ。ただ、景気回復を目指すスターマー新政権の前には、依然として多大な課題が待ち受けている。

BOEは政策金利を16年ぶり高水準の5.25%から5.00%に引き下げた。新型コロナウイルスのパンデミック、そしてロシアのウクライナ侵攻がもたらしたインフレの衝撃から立ち直りつつある家計と企業は一息つけるだろう。

利下げ発表の数時間前に発表された指標によると、7月の英製造業の景況感は大半の欧州大陸諸国やアジアを上回った。

英国株は、2016年に同国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めて以来アンダーパフォームしていたが、最近は上昇。利下げ発表後には一段高となり、中堅企業銘柄で構成されるFTSE250種指数は、2022年2月以来の最高値を記録した。その後は米景気を巡る懸念から、他市場につられて下落した。

BOEの利下げに加え、英国経済が2023年の浅い景気後退から回復する兆しを見せていることは、スターマー新首相に追い風となる。スターマー氏は経済成長を政権の最優先課題に据えている。

今回、金利据え置きに票を投じたBOEのチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は、2024年から26年にかけて年率1%前後という歴史的に低い成長率が見込まれるとは言え、景気の見通しが改善していること自体は歓迎すべきだと語る。

「この成長率は、これまでよりは良い。ただ同時に、過度に満足したり期待したりできるような状態ではないのは確かだろう」と述べた。

マーティン・カリーのマイケル・ブラウン最高投資責任者は、BOEが追加利下げを行う可能性が高いことが、景気回復感をもたらす一助になると指摘。「こうした環境下では、住宅建設業、不動産、公益、特にグリーンエネルギーといった金利敏感セクターが引き続き好ましい」と語った。

<注意すべき点>

利下げ発表の3日前には、リーブス財務相が公共部門の大幅賃上げを発表していた。これは経済成長率を年率2.5%に倍増させるための経済政策の第1弾だ。

ただ、英経済に関して慎重な見方を維持すべき理由も山ほどある。

1日のBOEの金融政策委員会(MPC)で、利下げ5、据え置き4と委員の票が割れたことは、インフレリスクが根強く残っていることを示している。

ベイリーBOE総裁は、今回が急激な借り入れコスト下落の始まりではないと強調。ここ数カ月の景気改善を踏まえれば、インフレリスクは消えていないと念を押した。

英国の賃金上昇率は約6%と、2%の物価上昇目標と整合的な水準の約2倍で推移している。

また、BOEは2024年の成長率見通しを従来の0.5%から1.25%に引き上げたが、これは今後の見通しが変わったというよりも、年初の力強いスタートを反映した修正という側面が大きい。

25年と26年の成長率見通しは1%と1.25%に据え置かれた。これは2007―08年の世界金融危機前の平均に比べると半分に満たない。

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