カナダの昨年12月貿易収支、10カ月ぶり黒字に

　２月５日、カナダ統計局が発表した昨年１２月の貿易収支は７億０８００万カナダドル（４億９６００万米ドル）の黒字で、１０カ月ぶりの黒字となった。ハミルトンの港で１月撮影（２０２５年　ロイター/Carlos Osorio）

[オタワ ５日 ロイター] - カナダ統計局が５日に発表した昨年１２月の貿易収支は７億０８００万カナダドル（４億９６００万米ドル）の黒字で、１０カ月ぶりの黒字となった。トランプ米大統領がカナダからの輸入品に関税を課すとけん制したのを受けて、米企業が在庫を積み増したことも背景に米国向けエネルギー製品の出荷が増え、原油価格上昇、通貨カナダドルの下落が輸出額を押し上げた。

ロイターのアナリストらに対する市場予想は７億５０００万カナダドルの黒字だった。

カナダ最大の貿易相手国となっている米国との貿易黒字は５％増の１１３億カナダドルで、２カ月連続で拡大した。

昨年１１月の全体の貿易収支は９億８６００万カナダドルの赤字だった。

昨年１２月の輸入は前月比２．３％増。１１月は２．８％伸びていた。

１２月の米国からの輸入は１．５％減った。

１２月の全体の輸出は３カ月連続で増加。エネルギー製品が９．５％増え、金属・非金属鉱物製品も９．２％伸びたのがけん引した。

カナダ輸出開発公社のチーフエコノミスト、スチュアート・バーグマン氏は「昨年１０月以降に堅調な上昇傾向が見られるのは偶然ではない」とし、トランプ米政権による関税導入の可能性を受けた米企業による備蓄と、好調な米消費者需要がカナダからの輸出増加につながっていると指摘した。

トランプ氏は今週初め、カナダからのほぼ全ての輸入品に２５％の関税を課す計画を一時停止するとし、カナダも報復関税を撤回した。

カナダ統計局は同時に、モノの対米貿易黒字が２０２４年に１０２３億米ドルとなり、２３年の１０８３億米ドルから減ったと公表した。

バーグマン氏は米国勢調査局のデータを引用し、エネルギー製品を除けば２４年の米国のカナダに対する貿易赤字は約４３０億カナダドルだったと説明した。