英仏独、イラン非難決議案見送り IAEAは技術協議へ
ロイター / 2021年3月5日 12時23分
3月4日 英国とフランス、ドイツは、国際原子力機関(IAEA)の定例理事会向けにまとめていたイランへの深い懸念を表明する非難決議案の提出を見送った。写真はイラン国旗。3月1日、オーストラリアのウィーンにあるIAEA本部で撮影(2021年 ロイター/Lisi Niesner)
[ウィーン/パリ 4日 ロイター] - 英国とフランス、ドイツは、国際原子力機関(IAEA)の定例理事会向けにまとめていたイランへの深い懸念を表明する非難決議案の提出を見送った。外交筋が明らかにした。イランとの対立が一段と深まることを避け、外交努力による解決の余地を残すためとみられる。
2015年のイラン核合意当事国の英仏独は、IAEA査察を制限する措置をイランが取ったことなどを非難する決議案を今週のIAEA定例理事会で採択するよう働き掛けていた。
一方、IAEAはこの日、イランと技術的な協議を始めると明らかにした。グロッシ事務局長は記者会見で「対話のテーブルに着き、全ての関係国のために問題を解決できるかを探る」と述べ、4月初めからイランで技術的な協議を開始すると説明。次回6月の理事会で進展を報告できることを望んでいると語った。
これを受けて英仏独は、非難決議案の採択をいったん見送ることを決めたとみられる。関係筋は、決議案採決を進めていれば、早期の協議開始は難しくなっていただろうと語った。
イランは、非難決議案が採択されれば、同国施設の監視作業を最大3カ月は受け入れるとしたIAEAとの最近の合意を破棄する可能性があるとしていた。
イラン外務省報道官は、非難決議案見送りについて「イランとIAEAが築いた外交の道が維持される」と評価した。イラン国営メディアが伝えた。
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