日経平均は続落、急な下げへの警戒で後半は買い戻し優勢に
ロイター / 2021年3月5日 15時42分
東京株式市場で日経平均は続落。米長期金利の上昇が嫌気され朝方は売りが先行して一時は600円を超す下落となったものの、直近の急な下げに対する警戒感から買い戻しが活発化し、後半は戻り歩調となった。写真は東証、2020年10月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 5日 ロイター] -
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 28864.32 -65.79 28725.48 28308.57─28867.83
TOPIX 1896.18 +11.44 1876.85 1859.88─1896.18
東証出来高(万株) 143043 東証売買代金(億円) 31752.03
東京株式市場で日経平均は続落。米長期金利の上昇が嫌気され朝方は売りが先行して一時は600円を超す下落となったものの、直近の急な下げに対する警戒感から買い戻しが活発化し、後半は戻り歩調となった。輸出関連株にとっては、円安も好材料だった。TOPIXは前日比プラスで大引け。
4日の米国株式市場は続落、ナスダック総合は2月に付けた過去最高値から10%近く下落して取引を終えた。米長期金利の上昇を懸念する投資家の間でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言に失望が広がった。
パウエル議長はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催の会合で、最近の米国債利回りの急上昇について「注目に値し、留意している」と述べつつも、「無秩序な」動きとも、FRBによる介入が必要とも考えていないとし、「FRBの現在の政策スタンスは適切だ」との認識を示した。資産買い入れの変更は示唆しなかった。
米長期金利の動向に神経質になっているため、日本株は朝方から大幅続落の展開。ただ、急ピッチでの下げに対して警戒感も生じており後半は買い戻しが活発化、日経平均は急速に下げ幅を縮小する一方、TOPIXは前日比プラスで大引けた。
物色面では、値がさのグロース株は引き続き軟調だったが、景気敏感株が買われ相場を下支えする格好となっている。外為市場でドル/円が108円台まで円安に振れたことで、輸出関連株に底堅い銘柄が目立った。
市場では「前日の米株下落がパウエルFRB議長の発言が材料になった点を考慮すると、16─17日の連邦準備理事会(FOMC)まで投資家は疑心暗鬼となり、不安定な相場展開が続くとみられる」(野村証券・エクイティマーケットアナリストの澤田麻希氏)との声も聞かれる。
TOPIXは、0.61%高。東証1部の売買代金は、3兆1752億0300万円とやや膨らんでいる。東証33業種では、鉱業、鉄鋼、電気・ガス業などが上昇し、値下がりは不動産業など6業種にとどまった。
個別では、後半にトヨタ自動車など主力の輸出関連株が買われたほか、大幅安で始まったソフトバンクグループも前日比プラスまで戻した。また、日本製鉄など景気敏感株の一角が高いが、ファーストリテイリングはさえない。
東証1部の騰落数は、値上がり1352銘柄に対し、値下がりが753銘柄、変わらずが89銘柄だった。
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