6月の米雇用は伸び加速、主要部門はなお回復途上
ロイター / 2021年7月5日 9時47分
7月2日に発表された6月の米雇用統計によると、景気の変動を敏感に映す非農業部門の雇用者数は前月比85万人増えた。ただ、民間主要10部門の雇用者数は、2020年2月の水準と比較して87─99%程度の回復にとどまり、新型コロナウイルスの影響を比較的受けていない分野でも雇用は完全には回復していない。6月、フィラデルフィアの企業オフィスで撮影(2021年 ロイター/Hannah Beier)
[2日 ロイター] - 2日に発表された6月の米雇用統計によると、景気の変動を敏感に映す非農業部門の雇用者数は前月比85万人増えた。ただ、民間主要10部門の雇用者数は、2020年2月の水準と比較して87─99%程度の回復にとどまり、新型コロナウイルスの影響を比較的受けていない分野でも雇用は完全には回復していない。
雇用の伸びが最も顕著だったのはレジャー・サービス業関連分野で、レストランやホテルなどの雇用は6月に34万3000人増加し、2月以来の高い伸びとなった。ただ、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)前の水準と比較すると約87.1%の回復にとどまる。
一方、在宅勤務の普及などでパンデミックの影響が比較的軽かった金融分野は、コロナ前の99.2%の水準まで回復している。ただ、この水準は3カ月間変わっていない。
建設部門の雇用はコロナ前の96.9%の水準まで回復しているが、冬の終わりから改善がみられない。通常なら業界の雇用シーズンである時期に3カ月連続で雇用が減少しており、建築資材不足が要因との指摘もある。
全般的には、どの主要部門の雇用も米経済が活況を呈していた2020年2月の水準を超えていない。
6月の労働参加率は61.6%で横ばい。コロナ前の水準(63.3%)を下回っている。
オックスフォード・エコノミクスのKathy Bostjancic氏は、健康面の不安や育児問題など労働力の供給を制限する要因が解消されれば、労働参加率は上昇すると指摘。来年末までには63%程度まで回復すると見込んでいる。
ただ、自動化などが進み、一部の産業ではこれまでほど労働力が必要でなくなるため、雇用の回復状況は一様ではないとの見方を示した。
6月の米雇用統計では、25─54歳の労働参加率が前月の81.3%から81.7%に上昇した。2020年2月の82.9%を下回っているものの、これは明るい兆候と受け止められた。
コーナーストーン・マクロのロベルト・ペルリ氏は「このまま増加が続けば、雇用はパンデミック前の水準に近づき、最終的には上回る」と指摘。失業手当の延長や自動化の普及、コロナ感染への不安が今後も影響する可能性があるものの、一部のセクターの雇用状況は、パンデミック後にはるかに良い状況になると確信していると述べた。
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