FRB、利下げ検討は時期尚早=ダラス連銀総裁
ロイター / 2024年4月6日 3時2分
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のローガン総裁は5日、現在のインフレを巡る状況は連邦準備理事会(FRB)による利下げへの差し迫った動きを否定していると述べた。
デューク大学での講演原稿で「利下げについて検討するのは時期尚早だ」と指摘。利下げ前に「経済がどの方向に進んでいるかという不確実性がさらに解消される必要がある。そしていつものように、連邦公開市場委員会(FOMC)はインフレ率の低下に歯止めがかかった場合に適切に対応する準備を整えておくべきだ」とした。
また「インフレ見通しの上振れリスクをますます懸念している」とした上で、金融政策当局者はインフレ上昇を常に警戒しなければならないが、主なリスクはインフレ上昇ではなく、インフレ低下が失速し、予想された軌道をたどってタイムリーに2%目標まで戻らないことだと言及。FRBはインフレ率を2%に戻すために行動する必要があるとした。
FRBはインフレ率の2%目標への回帰で「大きな進展」を遂げたとしつつも、2024年1─2月のインフレデータは予想外に上振れしたと述べた。
バランスシートの縮小に関しては、完全に停止する前に縮小ペースを鈍化させることが望ましいとし、縮小ペース鈍化に関するFOMCの決定が「近く適切になる」と発言。「より緩やかだがなお有意なペースであれば、銀行や金融市場参加者が流動性を再分配し、FOMCが流動性の状況を評価する時間が増える」とした。
さらに「過去2年間の金利上昇に対する経済のレジリエンス(回復力)は驚くべきものだ」と評価。ローガン総裁が接触している企業関係者は一貫して「ソフトランディング」(軟着陸)が最も可能性の高いシナリオと述べているという。
ローガン総裁はまた、経済が生産性の向上へと移行し、価格圧力の上昇を招かない活動レベルの向上が見込まれる可能性があるほか、中立金利の水準も上昇している可能性があるとした。
ローガン総裁は現在、FOMCでの投票権を持っていない。
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