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新型肺炎、企業・家計への影響も注視必要=政井日銀審議委員

ロイター / 2020年2月6日 12時11分

 2月6日、日銀の政井貴子審議委員(写真)は、奈良市で開いた金融経済懇談会であいさつし、海外経済を起点とする経済・物価の下振れリスクは幾分低下したものの、依然として大きいと指摘した。写真は都内にある日銀本店で2016年6月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[奈良市 6日 ロイター] - 日銀の政井貴子審議委員は6日、奈良市で開いた金融経済懇談会であいさつし、海外経済を起点とする経済・物価の下振れリスクは幾分低下したものの、依然として大きいと指摘した。新型コロナウイルスの感染拡大について、中国をはじめとした世界経済だけでなく、日本の家計や企業への影響も含めて注視する必要があると述べた。

その上で、2%の物価目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を打ち出す方針を示した。

海外経済について、政井委員は「製造業を中心とした海外経済の持ち直し時期や改善ペースを慎重に見ていた」と指摘。グローバル製造業PMIが昨年11月に節目の50を回復したことなどを挙げ、「こうした流れが続いていけば、今年半ばにかけて持ち直していくと評価している」と述べた。

ただ、海外経済と個人消費は引き続き日本経済の先行きのリスク要因になると指摘。

個人消費については、政府の各種支援策で消費税率引き上げの影響は抑制されるとみられるものの、「実質所得減少の影響が今後、時間をかけて徐々に表れてくる可能性もあり、長い目で見た個人消費の基調に変化がないかしっかり見ていきたい」と語った。

物価については、上昇へのモメンタムは維持されており「今後、拡大していくための種火のようなものが引き続き感じられる」と発言。消費者物価で家賃の伸びが上向いてきつつあることを挙げた。

日銀は消費者物価が2%に向けて徐々に上昇率を高めていくとみている。政井委員は、物価の中心的な見通しが維持されるには、いっそう実質賃金が上昇し、家計の値上げ許容度がさらに変化していく必要があるとした。一方で、為替相場や国際商品市況の変動は「企業や個人のマインドにネガティブな影響が及び得るため、引き続きリスクとして意識している」とした。

政井委員はあいさつの中で、緩和的な金融環境の長期化がもたらす副作用についても言及した。国際通貨基金(IMF)などが企業や投資家などのリスクテイク姿勢をいっそう前傾化させると懸念していることは「当然だ」としたうえで、「年金などの運用利回りの低下が経済活動に及ぼす影響も含め、問題意識を共有している」と述べた。

しかし、デフレからの完全脱却を目指し、持続可能な成長を後押しするには現在の政策を息長く続けることが「不可欠だ」と言明。政策の効果と副作用双方にしっかりと目配りしながら、適切な政策運営に努める方針を示した。

(和田崇彦 編集:青山敦子)

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