習主席来日無理せず、延期でも外交に影響ない=林・日中議連会長
ロイター / 2020年2月6日 19時28分
<description role="descRole:caption"> 2月6日、林芳正・日中友好議員連盟会長(写真)は、4月上旬に予定されている習近平・中国国家主席の来日について、新型コロナウィルス感染への対応も考慮し、無理をすべきでないと述べた。写真は都内で2017年8月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai) </description>
[東京 6日 ロイター] - 林芳正・日中友好議員連盟会長は、4月上旬に予定されている習近平・中国国家主席の来日について、新型コロナウィルス感染への対応も考慮し、無理をすべきでないと述べた。訪日が延期されたとしても双方が納得する明確な理由があり、外交関係に影響はないとの見方を示した。6日にロイターのインタビューで述べた。
中国を念頭に政府が経済安全保障の動きを強めている中で、日中ビジネスについては企業にルールを示して国益第一で個々に判断が必要との考えを示した。
林氏は、習近平主席の来日について「日本として公式には予定通り準備を進めているとしているが、タイミングは中国政府が決めることだ。ただ新型肺炎の感染者や犠牲者が出ている中では、われわれも来日のタイミングについては懸念しており、中国側もそうした状況も考慮するとみている」と述べた。
さらに習主席は国内で優先すべき問題があり、トップが不在という状況はイメージ上好ましくないという面もあるだろうとして「(訪日で)無理することはよくない」との考えを示した。
ただ来日が延期や中止となった場合でも「新型肺炎という理由があり、双方が納得できる状況にあるため、外交的にマイナスになることはない」との認識を示した。
一方で、人権問題や領土問題などを巡り自民党内に習近平主席を国賓として迎えることに反対意見があることについては、「むしろ、そうした状況の中だからこそきちんと迎える必要があるのではないか」と述べた。
<「地政学」よりも「地経学」>
日中関係をどう展開させていくかに当たり、「経済安全保障」の動きが政府・自民党内で強まっている。こうした状況について林氏は、今は「地政学」というより、経済的要素を重視する「地経学」と呼ばれる時代だとして、かつての冷戦時代とは異なると指摘。
そのため「ある国を特定して、何かを排除するということではなく、基本はWTO(世界貿易機関)など国際基準をスタンダードとしてやっていくということだ。そこが安全保障政策と経済政策の一番違うところだ」と述べ、中国を名指ししてビジネスから排除するといった措置は取らないとした。
日本では、昨年、外為法による海外資本の制限を強化したうえに、次世代通信規格「5G」やその次の高度通信技術「6G」などの技術保護を対象に「特定高度情報通信技術活用システム導入促進法案」も検討されている。
これについて林氏は、安定性・信頼性の要件に適したものを税制で優遇するという制度だが、中国の製品を対象外とするものではないとし、「すでに総務省が5G免許付与の際にも同じようなに条件にしており、それを裏書きをする性格付けになる」と説明。
しかし「中国では、民間企業であっても政府から要請があれば、業務の遂行上知りえた秘密を国に提供するという義務が法律上定められている。日本の個人保護法の体系と中国のデータの扱い方について整合性が完全には取れていない」として、そうした法律的義務のある国については、中国でなくとも規制されるとした。
経済安全保障の考え方が強まれば、通信分野に限らず、民間技術と軍事技術の垣根が低くなり、対中ビジネスを手掛ける多くの民間企業は事業に支障が出かねないとの懸念もある。
林氏は「トヨタの部品が中国製だったり、日本の農産物が中国に輸出されている。そうした中ですべての取引がだめだということにはならない。何が危ないのかは個別に考えるしかない」と語った。
そのうえで「企業も政府と一体となって仕組み作っていくことになる。5Gについては採用基準という形ですでに公表し、それに沿った形で運用している。ただそれを他の産業にも広げていくことは今のところ考えていない」として、ある程度企業の意向も踏まえて、中国ビジネスでのガイドラインを政府が示していく考えをにじませた。
*内容を追加して再送します。
(中川泉 編集:高木匠)
この記事に関連するニュース
-
米トランプ政権復活なら台湾危機も 日本は防衛力増強で備えよ エモット英誌元編集長
産経ニュース / 2024年7月24日 12時11分
-
CGTN:中国にとって改革の深化がなぜ重要なのか?
共同通信PRワイヤー / 2024年7月18日 11時3分
-
CGTN:中国とカザフスタンが友好関係を大切にしてさらなる協力を誓う
共同通信PRワイヤー / 2024年7月5日 15時7分
-
中ロ首脳、ユーラシア安保構想を表明 SCO 西側への対抗鮮明
ロイター / 2024年7月5日 0時0分
-
「トランプ陣営の世界戦略がさらに明るみに」その3 中国こそが最大の脅威
Japan In-depth / 2024年6月27日 11時0分
ランキング
-
1日本人襲撃で死亡の胡さんに称号=中国共産党
時事通信 / 2024年7月26日 19時59分
-
2フランスTGVの破壊行為、アタル首相「組織的に準備され連携されていた」…数日間は鉄道網混乱
読売新聞 / 2024年7月26日 23時52分
-
3仏高速鉄道で破壊行為、80万人影響=五輪開会前に運行大混乱、旅行客足止め
時事通信 / 2024年7月26日 21時41分
-
4中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長城が壊れる!」観光客が押し寄せた動画が話題に
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月26日 20時8分
-
5パレスチナ人の苦しみにハリス氏「沈黙しない」…イスラエルへ圧力を強める兆候と受け止め
読売新聞 / 2024年7月26日 23時33分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)