JPモルガン、配当停止も 今年は「深刻な景気後退」に=CEO
ロイター / 2020年4月7日 1時48分
米銀最大手JPモルガン・チェース<JPM.N>のダイモン最高経営責任者(CEO)は6日、今年は「深刻な景気後退」に陥るとの見方を示した。ニューヨークで昨年9月撮影(2020年 ロイター/SHANNON STAPLETON)
[6日 ロイター] - 米銀最大手JPモルガン・チェース
米銀行界の「顔」とも言えるダイモン氏は、新型ウイルスの景気への打撃がすぐにはなくならないとこれまでに発言した業界内で最も著名な人物で、自行の利益が「2020年に大幅に」減少すると述べた。
ダイモン氏は株主に向けた年次書簡で、第2・四半期に国内総生産(GDP)が最大35%減少し、第4・四半期に失業率がさらに悪化し14%まで達した場合、配当停止を検討すると述べた。
新型コロナ危機で米国の失業者数が過去最高水準に上昇する中、ローン返済をできない人たちが増えており、こうした中で米銀大手が今年、配当停止を余儀なくされるのか疑問が出ている。
書簡によると、JPモルガンはコロナ危機で大きな影響を受けた顧客に対し、延滞料の免除や住宅・自動車ローン返済の90日間の猶予期間などを導入し、措置を拡大する。
ダイモン氏はまた、全国の1万6850台の現金自動預け払い機(ATM)の大半は、顧客が必要な現金を賄う「資金が十分にあり、機能している」と述べた。
JPモルガン・チェースは小企業を対象に9億5000万ドルの新規融資を提供した。今後さらに小企業向けの信用枠を拡大するとした。ダイモン氏は「われわれの基本シナリオでも最悪のシナリオでも、現在もしくは今後、顧客に追加で1500億ドルを貸し出す」と述べた。
また、これまでの年次書簡と同様に規制や財政政策の改革を提案。「危機が収まった後、米国の準備体制と対応を十分に再考するべきだ。経済への影響を注視し、われわれの金融・経済システムを改善するためにさらなる規制改革が必要かどうかを判断する機会だ。再考するのに適切な時期は来る。ただ、今ではない」と述べた。
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