米コロナ作業部会、経済再開に軸足シフト 民主は早期緩和に警告
ロイター / 2020年5月7日 5時19分
トランプ米大統領は6日、新型コロナウイルス対策タスクフォース(作業部会)は期限を設けずに活動を継続し、今後は安全な経済・社会活動の再開のほか、ワクチンと治療薬の開発に軸足をシフトすると述べた。4月撮影(2020年 ロイター/JONATHAN ERNST)
[ワシントン 6日 ロイター] - トランプ米大統領は6日、新型コロナウイルス対策タスクフォース(作業部会)は期限を設けずに活動を継続し、今後は安全な経済・社会活動の再開のほか、ワクチンと治療薬の開発に軸足をシフトすると述べた。これを受け、民主党のペロシ下院議長は科学がないがしろにされることはあってはならないと警告した。
トランプ大統領は「タスクフォースはこれまで成功を収めたため、安全な経済活動の再開を主眼に期限を設けずに活動を継続する。必要に応じて新たな人員を配置したり、削減したりする。タスクフォースはワクチンと治療薬の開発にも注力する」とツイッターに投稿した。
その後トランプ大統領は記者団に対し、タスクフォースの新たなメンバーを11日までに発表すると述べた。
タスクフォースはペンス副大統領が率い、医療保健当局者などで構成される。ペンス氏は5日、ホワイトハウスがタスクフォースの段階的な縮小について協議していると表明。トランプ氏も「ペンス副大統領と作業部会はこれまで大変頑張ってくれたが、今後は安全性や経済再開に重点を置いた新たな組織を作る」と述べていた。
タスクフォースには医療専門家も参加しており、感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)などの措置を緩和する時期などについて、トランプ大統領とは異なる見解を示すこともあった。
ペロシ下院議長はMSNBCに対し、「死亡者数は経済指数ではない」とし、「科学をないがしろにし、(新型ウイルス)検査の資金を削減し、国民が感染により死亡するリスクと引き換えに経済(成長)のための機会を強調することを『計画』とは呼ばない」と述べた。
タスクフォースに名を連ねる米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は5日夜、CNNのインタビューに対し、経済活動の再開を巡る議論で劣勢になりつつあるとの認識を示し、「現時点で安全に経済活動を再開できる国や市はあるが、再開できない場所もあり、そうしたところで再開されれば極めて危険なことになる」と懸念を示した。
米国では5日、ケンタッキー州、オレゴン州、ウイスコンシン州などで1日の感染者数の増加がこれまでで最大となった。ロイターの集計によると、感染者の累計は120万人を超え、感染による死者数は7万1000人を超えている。
*内容を追加しました。
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