米9月雇用者数33.6万人増、過去8カ月で最大の伸び 失業率3.8%
ロイター / 2023年10月7日 5時16分
Lucia Mutikani
[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日発表した9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比33万6000人増加した。市場予想の17万人増を大幅に上回り、過去8カ月で最大の伸びとなった。
7・8月分の雇用者数も計11万9000人上方改定された。米連邦準備理事会(FRB)の年内追加利上げに向け、労働市場と経済が十分な強さを維持していることを示し、金融引き締めが当面継続する可能性が浮き彫りとなった。
失業率は3.8%で、前月から横ばい。予想は3.7%だった。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストヤンチッチ氏は「雇用の急増や極めて低水準の失業保険申請件数、求人の増加を背景に、FRBが年内にあと1回利上げに踏み切る可能性はなお残されている」と指摘。「FRBが利下げを急いでおらず、高水準の金利が長期化する可能性を示唆している」と述べた。
同時に、債券利回りの急上昇やドル高の進行、株式市場のボラティリティ増大を背景に金融状況が引き締まりつつあるとし、「FRBが再度利上げに動くことは確定しているわけではない」という見方も示した。
エコノミスト予想のレンジは9万ー25万6000人増だった。夏休み明けの教育関係者の復帰を巡る季節調整の関係から、9月の雇用者数は低くなる傾向があったが、予想を上回る増加となった。
9月は幅広い業種で雇用者数が増加した。レジャー・接客が9万6000人増で、全体の伸びを主導した。うちレストランとバーは6万1000人増加し、同セクターの雇用者数はコロナ禍前の水準を回復した。
政府は7万3000人増、ヘルスケアは4万1000人増。運輸・倉庫、小売、建設、専門職なども増加した。
製造は1万7000人増。全米自動車労働組合(UAW)のストライキによる影響は9月の統計には反映されていない。
半面、ハリウッドのストの影響で、映画関連業界の雇用者数は7000人減少した。
将来的な雇用を示すとされる人材派遣も引き続き減少した。
平均時給は前月比0.2%増、8月と変わらず引き続き緩やかな伸びとなった。前年比では4.2%増と、8月の4.3%増から鈍化し、2021年6月以降で最小の伸びとなった。
賃金が緩やかな伸びにとどまったのは、9月に増加した雇用の大半が比較的賃金の低い業種だったことが要因とみられる。
ただ前年比での賃金上昇率は、FRBの2%のインフレ目標と整合するとみなされる3.5%を依然上回っている。
経済的な理由でパートタイムで働く就業者数は15万6000人減少した。求職活動をやめた人を含む広義の失業率は7%と、前月の7.1%から低下した。
ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「一般的な労働者の賃金上昇ペースは鈍化している可能性はある」としつつも、採用の底堅いペースを背景に総所得はまずまずのペースで引き続き増加する可能性を示唆しており、「個人消費全体を下支えするだろう」と述べた。
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