カナダ、10月の雇用者数は予想下回る伸び 失業率上昇

　１１月３日、カナダ統計局が発表した１０月の雇用統計によると、雇用者数は前月比１万７５００人増え、増加幅はロイター調査の２万２５００人を下回った。写真はバンクーバーの港で７月撮影（２０２３年　ロイター／Chris Helgren）

Ismail Shakil　Steve Scherer

[オタワ ３日 ロイター] - カナダ統計局が３日発表した１０月の雇用統計によると、雇用者数は前月比１万７５００人増え、増加幅はロイター調査の２万２５００人を下回った。失業率は前月の５．５％から５．７％に上昇し、２０２２年１月以来２１カ月ぶりの高水準となった。市場予想は５．６％だった。

カナダ経済の減速を示す新たな証拠であり、カナダ銀行（中央銀行）は追加利上げの必要がないかもしれない。

正社員の平均時給は前年同月比５．０％上昇したが、伸びは前月の５．３％から鈍化した。

デジャルタンのマクロ戦略責任者、ロイス・メンデス氏は、中銀当局者は賃金の伸び鈍化について、これまでの金融引き締めが効果を発揮していることを示すシグナルとして受け止めるだろうと説明した。

ＢＭＯキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、ダグ・ポーター氏は「カナダの労働市場の基調は軟化している」とし、中銀は様子見姿勢を強めるとの見方を示した。

１０月の雇用は、建設業を筆頭に財部門が７５００人増加した。

サービス部門は１万人増加。情報、文化・娯楽、ヘルスケアなどの雇用が大きく伸びた。