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常に新しいデータ入る、毎回会合で判断前進の可能性=植田日銀総裁

ロイター / 2023年11月6日 15時54分

日銀の植田和男総裁は6日、年内に2%物価目標の実現が見通せる状況になる蓋然性を問われ、見極めるための新しいデータや情報は常に入ってくるとして、「どの会合でも何らかの判断を前の会合に比べて進める可能性はある」と述べ、明確な時期には言及しなかった。写真は5月25日、東京で撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Takahiko Wada

[名古屋市 6日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は6日の会見で、物価動向を見極める上では決定会合ごとに新しいデータや情報が常に入ってくるため「どの会合でも、何らかの判断を前の会合に比べて進める可能性はある」と述べた。ただ、目標達成の明確な時期には言及しなかった。マイナス金利解除やイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)撤廃の順序についても、「その時点で決めたい」と述べるにとどめた。

名古屋市での金融経済懇談会後の記者会見で、年内に2%物価目標の実現が見通せる状況になる蓋然性を問われ、答えた。

懇談会のあいさつでは「物価目標に向けた見通し実現の確度が少しずつ高まってきている」とする一方、先行き賃金と物価の好循環がどの程度強まっていくのか「不確実性は高い」と述べていた。

植田総裁は年内のマイナス金利解除の可能性について「ゼロと言ってしまうのは無理だ」とする一方で、ここまでの情報を踏まえ先週の金融政策決定会合ではマイナス金利維持の判断になったと説明した。物価目標の実現が見通せるまでは、YCCの枠組みとマイナス金利を維持すると改めて強調した。

日本の実体経済に即した「中立金利」が明確であれば金融緩和度合いの判断材料になるが、植田総裁は中立金利について「いろいろな計算をしているが、計算の前提によって非常にばらつきが大きい」ため現時点で公表に至っていないと説明した。

<実質賃金、政策目標にあらず>

10月の決定会合後の会見で総裁は、物価目標や賃金・物価の好循環を巡り「ある程度以上のところに来てほしいという、閾値(いきち)みたいなところにまだ達してない」と述べていた。6日の会見では、閾値として明確な数値を設定しているわけではなく「物価と賃金の好循環が自分の力で回り始めたと確認できるかどうかだ」と話した。

一方で、「実質賃金に目標を置いて政策運営をしているわけではない」と明言。実質賃金はマイナス圏推移が継続しているが、日銀の想定通りに進捗することを前提に2025年度までとしている展望リポートの見通し期間の最後の方になれば「プラスの状態にたどり着く」との見方を示した。

(和田崇彦 編集:青山敦子、田中志保)

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