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アングル:米雇用統計は「普通」の結果に、FRBにとって安心材料

ロイター / 2023年11月6日 14時33分

10月の米雇用統計は、景気後退に陥らない程度にインフレと雇用の鈍化を望む連邦準備理事会(FRB)当局者にとっては安心材料となっただろう。写真はワシントンのFRBで2013年7月撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst)

Howard Schneider

[ワシントン 3日 ロイター] - 10月の米雇用統計は、景気後退に陥らない程度にインフレと雇用の鈍化を望む連邦準備理事会(FRB)当局者にとっては安心材料となっただろう。

非農業部門雇用者数の前月比15万人増加という市場予想を下回る結果は全米自動車労組(UAW)による3大自動車メーカでのストライキが影響した。だがそれを考慮しても、この数字は2010年から19年までのパンデミック(新型コロナウイルス大流行)前に10年間続いた月間18万3000人増のペースに近く、数年間の突出した雇用増加の後では「普通」に見える。

多くのFRB当局者はインフレ率が目標の2%まで減速するには賃金上昇ペースが鈍化する必要があると感じている。FRBは一般的に3%前後の賃金上昇であれば安心し、それ以上であれば不安を感じている。10月の前年比賃金上昇率は4.1%と引き続き低下。前月比では0.2%増、年率換算で2.4%前後となり、安心する範囲に収まった。  

失業率の動向はまた、経済がパンデミックのショックから着実に回復していると見る余地をFRB当局者に与えている。

一部のエコノミストは、物価上昇圧力が完全に和らぐには失業率がもっと大幅に上昇する必要があると考えている。しかし、これまでのところ、インフレの進展は雇用面では驚くほど痛みをもたらしていない。

これはサプライチェーン(供給網)などの改善により、値上げ圧力を高めることなく、経済がより多くの生産を行えるようになっている状況と合致している。  

<懸念材料も>

パウエルFRB議長は1日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、労働力人口(就業者と求職者)が最近増加し、経済のバランスが改善していると強調。労働力人口が増えることで、企業は欠員を埋めることができる一方、賃金上昇につながる労働者獲得競争が緩和される。

毎月の労働力人口は変動しやすいが、10月は20万人以上減少し、22年6月以来の大幅減となった。

もし労働力人口の増加と求人の軟化が連動すれば、雇用市場が均衡に近づいていることを示す可能性がある。しかし、堅調な消費が続き、高水準の求人数が維持されるのであれば、労働力人口の伸びが失速することで賃金圧力が再燃する可能性がある。  

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