インドネシアGDP、第1四半期は予想上回る 見通し不透明
ロイター / 2024年5月6日 16時17分
インドネシア統計局が6日発表した2024年第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.11%増加した。伸び率は3四半期ぶりの高水準となり、ロイターがまとめたエコノミスト予想の5%をわずかに上回った。写真はジャカルタで2021年8月撮影(2024年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)
Stefanno Sulaiman Gayatri Suroyo
[ジャカルタ 6日 ロイター] - インドネシア統計局が6日発表した2024年第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.11%増加した。伸び率は3四半期ぶりの高水準となり、ロイターがまとめたエコノミスト予想の5%をわずかに上回った。総選挙に向けた支出が寄与した。
ただ、国際情勢や国内の金融環境を踏まえると、力強い成長を維持できるかどうかは不透明だ。
23年第4・四半期の伸びは5.04%だった。
同国はコモディティー(商品)輸出の減少で打撃を受けてきたが、第1・四半期は2月14日の総選挙に向けた選挙活動費や3月に始まったイスラム教のラマダン(断食月)の家計支出増がGDPを押し上げた。
一部のエコノミストは選挙やラマダン伴う消費増加は一時的だと指摘。今後は米国の高金利長期化や中東情勢の緊迫化に加え、インドネシア国内の利上げサイクルが成長見通しの不確実要因となる。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ガレス・レザー氏は「高金利、商品価格下落、トレンドを下回る世界経済成長が需要を圧迫し、(インドネシア)経済は今後数四半期にわたり苦戦を強いられるだろう」と述べ、今年の成長率を4.5%と予想した。
インドネシア中央銀行は22年半ばから今年4月までに計275ベーシスポイント(bp)の利上げを実施。先月は通貨ルピアの下支えを狙った予想外の利上げとなった。
DBS銀行のエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は、第1・四半期GDPが堅調だったことから、中銀は引き続き物価と通貨の安定に集中することが可能になり、ルピアが一段と低下すれば追加引き締めする選択肢を維持するだろうと指摘。今年の成長率は5%と予想した。
第1・四半期の政府支出は前期の2.81%増から約20%増に伸びが急加速した。
家計支出は4.91%増。前期は4.47%増だった。家計支出はGDPの半分以上を占める。
一方、投資の伸びは5.02%から3.79%に鈍化した。
政府は第1・四半期GDPが5.17%増加すると予想していた。今年の目標は5.2%増。昨年は5.05%増加した。
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