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ECB0.25%利下げ、4年9カ月ぶり インフレとの戦いは続く

ロイター / 2024年6月6日 23時47分

 欧州中央銀行(ECB)は6日、主要政策金利の0.25%ポイント引き下げを決定した。利下げは2019年9月以来、4年9カ月ぶり。6日撮影(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は6日、主要政策金利の0.25%ポイント引き下げを決定した。利下げは2019年9月以来、4年9カ月ぶり。中銀預金金利を過去最高の4.0%から3.75%に引き下げた。

リファイナンス金利は4.50%から4.25%に、限界貸出金利は4.75%から4.5%に下げた。

ECBは声明で、インフレ見通し、基調インフレの動向、金融政策の伝達の強さに関する最新の評価に基づき、金融政策の制限の程度を緩和することが適切であると判断したと表明。

2023年9月の理事会以降、インフレ率が2.5%ポイント余り低下し、インフレ見通しが著しく改善したと指摘した。

その上で、インフレ率を適時に目標の2%に回帰させるとし、そのために必要な限り、政策金利を十分に制限した水準に維持する方針も示した。引き続きデータに基づき、会合ごとに適切な制限レベルと期間を決定するとした。7月に追加緩和を行うかについては示唆しなかった。

ECBのラガルド総裁は記者会見で、理事会の声明文を読み上げ、「賃金の伸びが上昇しているため、域内の物価上昇圧力は依然として強く、インフレ率は来年に入っても目標を上回って推移する可能性が高い」とした上で、「われわれは特定の金利経路を約束するつもりはない」と言明した。

一方、ECBが金融引き締めスタンスを「縮小」する段階に移行しているのかとの質問に対し、そのようなプロセスが進行中であるかどうかは確認できないが、「その可能性は高い」と答えた。その上で「それはデータに左右されるものであり、そのスピードと時間は非常に不確かだ」とした。

ラガルド総裁によると、利下げ決定に反対したのは理事会メンバーのうち1人だけだった。総裁はそれが誰なのか明らかにしなかったが、3人の関係筋によると、ホルツマン・オーストリア中銀総裁だった。ホルツマン氏はインフレ見通しの上昇を考慮し、金利据え置きを主張したという。

今回の利下げで、ECBはカナダ、スウェーデン、スイスの中央銀行に次いで金融政策を緩和に転換することとなった。

ただECBウォッチャーからは、現時点で利下げに踏み切ることの論理性を疑問視する声も聞かれた。米連邦準備理事会(FRB)は予想以上に高止まりするインフレ率をにらみ、夏以降まで利下げに踏み切らないと予想されているからだ。

ECBの発表後、市場では利下げ観測が減退した。年内の利下げはあと1回との見方が大勢で、2回とみる向きはわずかとなっている。

ジェフリーズのエコノミスト、モヒト・クマール氏は「われわれの基本シナリオではないが、FRBが今年全く利下げを行わない場合、ECBは今年2回しか利下げを行わないかもしれない」と述べた。

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