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アングル:イーライリリーとノボノルディスク決算、注目は肥満薬の供給態勢

ロイター / 2024年8月6日 14時21分

 8月5日、 肥満症治療薬を手がける米医薬品大手イーライリリーとデンマーク製薬大手ノボノルディスクが今週、四半期決算を相次いで発表する。写真はゼップバウンドとウゴービのパッケージ(2024年 ロイター/Hollie Adams/Brendan McDermid)

[ロンドン/ニューヨーク 5日 ロイター] - 肥満症治療薬を手がける米医薬品大手イーライリリーとデンマーク製薬大手ノボノルディスクが今週、四半期決算を相次いで発表する。投資家は両社の肥満症治療薬の供給態勢に注目する見通しだ。

イーライリリーの「ゼップバウンド」とノボノルディスクの「ウゴービ」の米国での販売シェア争いに深く関わるためだ。

アナリストの顧客向けノートに掲載されたIQVIAのデータによると、2023年12月発売のゼップバウンドは短期間のうちシェアが約40%に達した。処方せん数は24年7月19日までの週で13万に及び、ウゴービの20万に迫った。

ある臨床試験のデータによると、体重減量効果を比べると、平均値ではゼップバウンドがわずかにウゴービを上回り、患者の中にはゼップバウンドでの治療を望む人も増えた。いずれの肥満症治療薬も需要が前例のないほど多いが、両社とも十分な量を生産できていない。

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の肥満医学専門医は「われわれは現在、こうした供給問題に縛られている」と述べた。

肥満治療の米専門医5人はロイターに対し、確実に患者の治療を継続するためには、ゼップバウンドとウゴービのどちらが薬局で確保しやすいかを念頭に処方するとしていると明らかにした。

ノボノルディスクは公式サイトを更新し「供給に最善を尽くしているが、全体的に需要が供給を上回る状態が続きそうだ」などと表明。患者の中にはウゴービを処方されても薬局で買うのに苦労する可能性があると説明した。

一方、イーライリリーのデービッド・リックス最高経営責任者(CEO)は前週、肥満症治療薬の供給不足を間もなく解消するとの見通しを表明した。

両社はいずれも供給力向上のため、既存工場拡張や新工場建設のほか、他社工場の買い取り、受託メーカーとの取引拡大などで数十億ドルを投資する計画を既に発表している。

イーライリリーのゼップバウンドは現在、米国以外では英国やドイツ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)で、ノボのウゴービもオーストラリアやカナダ、スペインで販売している。しかし、米国事業での利益が他国を圧倒している。成人の70%超が肥満または太りすぎにあるためだ。

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