米経済はまだ軟着陸軌道、景気後退回避できる=PIMCOアイバシン氏
ロイター / 2024年8月7日 7時33分
米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のグループ最高投資責任者を務めるダニエル・アイバシン氏は、米経済が引き続きソフトランディング(軟着陸)の軌道に乗っているとの見方を示した。写真はドル紙幣。2018年2月撮影(2024年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)
Davide Barbuscia
[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のグループ最高投資責任者を務めるダニエル・アイバシン氏は、米経済が引き続きソフトランディング(軟着陸)の軌道に乗っているとの見方を示した。
アイバシン氏は6日のインタビューで、最近の株安・米国債高は経済データ軟化を反映しており、向こう12カ月で米国が景気後退入りする確率は高まったが、依然として景気後退を回避できると主張した。
その上で中央銀行の利下げを巡る市場の織り込みは恐らくやや行き過ぎだと分析。何か大きな地政学的ショックか金融不安が起きない限り、特に米連邦準備理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で決める利下げ幅は25ベーシスポイント(bp)となる公算が大きく、続く会合でどうなるかはその時の状況次第だと付け加えた。
先週終盤の米国債の価格高騰に関してアイバシン氏は、米景気後退懸念だけでなく、中東情勢の非常に大きな不確実性にも起因していると説明した。
アイバシン氏は、PIMCOが米国の財政事情悪化について顧客から「経済が強い中でなぜこれほど大幅な財政赤字を続けているのか」「こうした赤字はいつまで持続できるのか」といった問い合わせを受けているものの、同社として確かなことは分からないと答えていると明かした。
同氏は、現時点で米国の財政事情は「暗い」とはいえまだ管理可能だと述べた一方、いつかは市場が米国債に大きなプレミアムを要求したり、公的債務返済の費用負担が政治問題化したりする局面が来るかもしれないと予想した。
PIMCOは、財政赤字が比較的少ないオーストラリアやニュージーランド、英国、カナダなどの政府債購入を拡大してポートフォリオの多様化を進めているという。
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