NY市場サマリー(6日)ドル高、株安 利回り低下
ロイター / 2024年9月7日 6時25分
<為替> ドルが不安定な取引の中、上昇した。この日発表された8月の米雇用統計は予想を下回る内容となったものの、労働市場の減速が引き続き秩序だったものであることが示唆された。
米労働省が6日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増で予想を下回った。ただ失業率は4.2%で前月の4.3%から小幅低下した。
雇用統計公表後、ドルは大半の主要通貨に対して下落したものの、すぐに切り返した。
主要通貨に対するドル指数は0.2%高の101.21。
ユーロは対ドルで0.3%安の1.108225ドル。データ公表直後は、1.1155ドルまで急騰する場面もあった。
TDセキュリティーズ(ニューヨーク)の米国金利戦略責任者、ゲンナディ・ゴールドバーグ氏は「きょうのデータは、市場が次回の利下げ幅が25ベーシスポイント(bp)か50bpのどちらになるか判断するのを難しくしたと思う」と述べた。
LSEGのデータによると、市場は米連邦準備理事会(FRB)が9月17─18日のFOMCで、現在5.25─5.50%の政策金利を4.75─5.00%に引き下げる確率を31%とみている。データ発表前は約43%だった。
ドルは対円で0.7%安の142.42円で、4営業日続落となる見込み。
安全資産としての需要と日銀による利上げが近いとの観測が、円の下支えとなっている。
FRBのウォラー理事はこの日、FRBが今月の会合で利下げを開始する「時期が来た」と述べた上で、利下げの幅やペースについては柔軟に対応していく姿勢を示した。
英ポンドは約0.4%安の1.3131ドル。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約4%安の5万3600ドル。リスクの高い資産回避の動きから、1カ月ぶりの安値に沈んだ。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 10年国債利回りが一時15カ月ぶりの低水準まで低下した。この日発表の8月雇用統計からは、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅について明確なシグナルは示されなかった。
米労働省が6日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増で予想を下回った。ただ失業率は4.2%で前月の4.3%から小幅低下した。
米10年債利回りは2.5ベーシスポイント(bp)低下の3.708%。一時、2023年6月以来の低水準となる3.648%まで低下する場面があった。
金利に敏感な2年国債利回りは10.6bp低下の3.646%。一時は23年3月以来の低水準となる3.595%を記録した。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス6bpだった。
多くのエコノミストが米国は景気後退を回避するとみているにもかかわらず、債券市場は今後1年半にわたる積極的な利下げを織り込んでいる。
CMEグループのフェドウオッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は現在、9月17─18日のFOMCで25bpの利下げが実施される確率を73%、50bpの利下げが実施される確率を27%とみている。また、25年末までの計251bpの利下げが織り込まれている。
メットライフ・インベストメント・マネジメントのチーフマーケットストラテジスト、ドリュー・マタス氏は、「今回の雇用統計は、FRBに急ぐ理由がないことを示唆している。労働市場は減速しているが、そのペースは遅い」と述べた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 主要3指数がともに下落して取引を終えた。この日発表された米8月雇用統計で労働市場の減速が続いていることが示されたが、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ幅についてはトレーダーの間で不透明感が残った。
S&P500の全11セクター中、通信サービス、一般消費財、情報技術の下げがきつかった。
週間ベースでは、S&P総合500種とダウ工業株30種が2023年3月以来最大の下落を記録。ナスダックの下げは同22年1月以来最大となった。
米労働省が6日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増で予想を下回った。7月の非農業部門雇用者数は11万4000人増から8万9000人増に下方改定され、6・7月分の雇用者数は計8万6000人減少した。
MDBキャピタルのチーフ市場ストラテジスト、ルー・バセニーズ氏は、雇用統計について、FRBが今月利下げしなければならないことを意味するが、同時に経済がソフトランディングを達成するには遅すぎる可能性も示唆していると指摘した。
いわゆる「マグニフィセント・セブン」を含む主力の大型成長株の下落が指数を押し下げた。半導体大手エヌビディアは4%安、米電気自動車(EV)大手テスラは8.4%安、グーグルの親会社であるアルファベットは4%安、アマゾン・ドット・コムは3.7%安、メタは3.2%安、マイクロソフトは1.6%安、アップルは0.70%安となった。
半導体大手ブロードコムは10.4%下落。第4・四半期の売上高が予想を若干下回るとの見通しを示したことが弱材料となった。
マーベル・テクノロジー、アドバンスト・マイクロ・デバイセズなどその他の半導体株も下落した。
フィラデルフィア半導体指数は4.5%下落した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.08対1の比率で上回った。ナスダックでも3.16対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は118億株。直近20営業日の平均は107億株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 強弱まちまちの米雇用統計を眺めて売り買いが交錯し、3日ぶりに反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比18.50ドル(0.73%)安の1オンス=2524.60ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> エネルギー需要先行きに警戒感が広がる中で売られ、5営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物は前日清算値(終値に相当)比1.48ドル(2.14%)安の1バレル=67.67ドルと、中心限月清算値ベースで2023年6月中旬以来約1年3カ月ぶりの安値水準となった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 142.27/142.31
始値 142.86
高値 143.89
安値 141.79
ユーロ/ドル NY終値 1.1083/1.1087
始値 1.1107
高値 1.1155
安値 1.1066
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時00分 103*31.00 4.0207%
前営業日終値 103*29.50 4.0230%
10年債(指標銘柄) 17時00分 101*11.00 3.7117%
前営業日終値 101*05.50 3.7330%
5年債(指標銘柄) 17時00分 100*19.75 3.4886%
前営業日終値 100*12.25 3.5400%
2年債(指標銘柄) 17時00分 100*06.00 3.6503%
前営業日終値 99*31.88 3.7520%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 40345.41 -410.34 -1.01
前営業日終値 40755.75
ナスダック総合 16690.83 -436.83 -2.55
前営業日終値 17127.66
S&P総合500種 5408.42 -94.99 -1.73
前営業日終値 5503.41
COMEX金 12月限 2524.6 ‐18.5
前営業日終値 2543.1
COMEX銀 12月限 2818.3 ‐91.6
前営業日終値 2909.9
北海ブレント 11月限 71.06 ‐1.63
前営業日終値 72.69
米WTI先物 10月限 67.67 ‐1.48
前営業日終値 69.15
CRB商品指数 266.8641 ‐4.4028
前営業日終値 271.2669
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