中国経済は第1四半期に新型肺炎で混乱、人民銀は支援策強化=副総裁
ロイター / 2020年2月7日 17時26分
2月7日、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝副総裁は、中国経済は第1・四半期に新型コロナウイルスの影響により混乱する可能性があるが、中銀として景気支援策を強化すると表明した。写真は道路のチェックポイントで運転手の体温を測定する医療関係者。安徽省で6日撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)
[北京 7日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝副総裁は7日、中国経済は第1・四半期に新型コロナウイルスの影響により混乱する可能性があるが、中銀として景気支援策を強化すると表明した。また、感染が収束すれば経済は回復するとの見通しを示した。
同副総裁は記者会見で、人民銀行は新型肺炎の感染拡大が経済に及ぼす影響を注視していると述べ、経済への圧力を緩和するために多くの政策手段を準備していると語った。
「金融政策に関しては、カウンターシクリカル調整の強化や、適切で潤沢な流動性の維持のほか、実体経済に健全な金融・財政環境を提供することが次のステップになる」とした。
また「感染拡大や経済への下押し圧力という文脈では、経済成長を維持することがより重要だ」と述べた。
ウイルス対策のために移動制限や公衆衛生上の規制を実施している地域が広がっており、観光、飲食業やその他のサービス業への打撃が深刻化している。来週かそれ以降まで操業再開を延期した工場も多い。
アナリストらは第1・四半期の経済成長率が、昨年第4・四半期の6%から2%ポイントかそれ以上急減速する可能性があるとみているが、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時と同様、感染のピークが早期に過ぎれば急回復すると予想している。
潘副総裁は、中国には圧力に対応するための十分な政策手段があるとあらためて強調し、他の主要国よりも成長を下支えする余地があると指摘。
そのうえで、重要産業を支援するため、的を絞った預金準備率の引き下げや再貸付、再割引などの手段を活用すると述べた。
人民銀行は今週、リバースレポを通じて総額1兆7000億元(2427億4000万ドル)を市場に供給した。
潘副総裁は、人民銀による最近の資金注入が市場金利の低下に寄与したとし、20日に発表される最優遇貸出金利(LPR)に影響する可能性があるとした。
人民銀から商業銀行に対する特別な再貸付のコストは比較的低くなるとの見方も示した。人民銀はまた、市中銀行に対しこれまでに、一部企業への貸出金利の上限を現行LPRより1%ポイント低い3.15%にするよう指示している。
中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の周亮副主席は同じ会見で、新型コロナウイルスの感染拡大によって銀行の不良債権比率がある程度上昇するとの見通しを示す一方、不良債権が増えても対応できるだけの潤沢なリソースが中国にはあると語った。
*内容を追加しました。
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