欧州証券当局、個人投資家に指数連動型ファンドを推奨
ロイター / 2020年4月7日 12時46分
[ロンドン 6日 ロイター] - 欧州連合(EU)の証券当局は6日に公表した報告書で、個人投資家に対して、よりコストの高いアクティブ運用ファンドではなく、指数連動(パッシブ)型ファンドへの投資を推奨した。
欧州証券市場監督機構(ESMA)は、EUの9兆ユーロ(9兆7200億ドル)規模のファンド市場の2018年のコストと運用成績を分析した報告書で、投資家はいまだに必要とする情報を得ていないと指摘した。
ESMAは、個人投資家が支払うファンドの手数料は機関投資家の手数料を約40%上回っていると指摘し、高い手数料により個人投資家のリターンが抑えられていると説明した。
「高いコストにより、アクティブ運用ファンドのネットリターンは平均すると、パッシブ運用ファンドのリターンを下回っている」とし、昨年の報告書と最新報告書の結果では、手数料などのコストの引き下げが小幅にとどまっていることが明らかになったとした。
EUの法律に準拠して設立・運用されている投資ファンド(UCITS)を対象に短期投資でみた場合、株式に投資するアクティブ運用ファンドの上位25%は、コスト要因を考慮した前と後の両方でパッシブ運用ファンドをアウトパフォームした。
ただ、対象となるファンドが常に変化することから、運用成績の良いUCITSファンドを投資家が特定するのことは難しいとESMAは指摘している。
ESMAによると、UCITSファンドの価値は2018年に前年から5000億ユーロ縮小し、2011年以降で初めての減少となった。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた景気後退懸念でここ数週間、主要株価指数は1987年のブラックマンデー以来の大幅な下落を記録した。
ESMAは「現在COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のまん延は株式市場に影響を及ぼしており、ファンド投資家はポートフォリオへの大きなマイナスの影響に備えるべきだ」と指摘した。
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