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欧米中銀当局者、コロナ危機新局面で一段の財政支援を呼び掛け

ロイター / 2020年10月7日 9時21分

10月6日、米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の当局者は6日、新型コロナウイルス危機による景気後退が新たな重要局面を迎える中、家計と企業へのさらなる財政支援が必要との考えを示した。写真は9月、米議会の公聴会に出席するパウエルFRB議長。代表撮影(2020年 ロイター)

[6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の当局者は6日、新型コロナウイルス危機による景気後退が新たな重要局面を迎える中、家計と企業へのさらなる財政支援が必要との考えを示した。全米企業エコノミスト協会(NABE)年次会合の講演で明らかにした。

だが米国では、トランプ大統領がこの日、新型コロナ経済対策を巡る民主党との協議を11月の大統領選挙後まで停止すると突如発表。 追加の財政支援への期待はしぼんでいる。

米国の新型コロナ経済対策を巡る協議の行方は世界経済の回復ペースに影響する可能性がある。

新型コロナの感染拡大は欧米の一部地域で再び加速しつつある。春の感染第1波で導入された行動制限の影響がまだ経済全体に残る中で、制限措置の再導入が始まった。地方政府は税収減にも悩まされている。

FRBのパウエル議長は6日の講演で、「経済活動の再開を受けた当初の急速な(感染)拡大が、完全回復までの道のりの長期化に移行するリスクがある」とし、こうした減速が長期化すれば「脆弱性が新たな脆弱性を作り出し、典型的な景気後退のダイナミクスが触発される」恐れがあると警告した。

議長は、新型コロナ流行を受けたFRBによる早期の対応と企業と家計への直接給付を盛り込んだ経済対策により、「これまでのところ」最悪の事態は回避されたとの認識を表明。

その上で、「景気拡大は完全にはなお程遠い。現在のような初期の段階では、政策介入に対するリスクはなおアシンメトリック(非対称)と言える。支援が少なすぎれば回復は弱くなり、家計と企業は不要な困難に直面する」と指摘。「現時点では(支援が)多すぎるリスクは小さいように見える。政策措置が必要以上だったと最終的に判明しても、無駄にはならない。回復はより力強く、より速くなる」とした。

この発言は、好調な分野と深刻な問題を抱える分野で経済が分かれる中で感染拡大が続くという重要局面に入った現状について、パウエル氏の分析がやや変わったことを示す。従来は、パンデミック(世界的大流行)後に向けて金融の「架け橋」を築くことに焦点を当てていたが、現在は回復ペースが遅すぎると景気後退が悪化する恐れがあるとみている。

ECBのレーン専務理事兼主任エコノミストは6日の講演で、インフレ目標を確実に達成するために、新型コロナ感染拡大による苦境を脱した後も、ECBは政策を十分に緩和的に維持する必要があると発言。

レーン氏は、市場で織り込まれているECBの利上げ着手時期は2024年8月に後ずれしていると指摘。「感染の再拡大が見られており、一部では感染拡大抑制策も実施されている。ここ数週間は公衆衛生だけでなく、消費者信頼感と投資家信頼感にも極めて重要な時期となる」と述べ、短期的に強力な財政対応が必要なことは明らかだとした。

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