アストラ製ワクチン、英独で対応分かれる 接種進展の違い反映
ロイター / 2021年5月8日 6時31分
英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを巡り、英国が7日、使用を制限する一方、ドイツは希望者全員への接種を認めるなど対応が分かれた。写真は3月28日、ロンドンで撮影(2021年 ロイター/Henry Nicholls)
[ロンドン/ベルリン 7日 ロイター] - 英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを巡り、英国が7日、使用を制限する一方、ドイツは希望者全員への接種を認めるなど対応が分かれた。ワクチン接種のメリットとまれな血栓症の発症リスクとが比較検討される中でワクチン接種の進展状況の違いが反映されている。
アストラゼネカ製ワクチンに大きく依存している英国では人口の51%が少なくとも1回目の接種を受けた。感染症による1日当たりの死者数は2桁台前半に減少している。
このような状況下で、英当局は7日、40歳以下の若年層に対し、アストラゼネカ製以外のコロナワクチンを接種するよう推奨した。血栓症の発症リスクが小さいためとしており、従来の30歳以下から引き上げた。
一方、ドイツのシュパーン保健相はアストラゼネカ製ワクチンについて、医師の助言に基づき希望者には自由に接種を受けられるようにすると表明。1回目の接種から早ければ4週間後に2回目の接種を受けることも認めるとした。
公式データによると、ドイツの過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数は126人と減少傾向にあるものの、英国の約6倍になっている。
英国のワクチンと予防接種に関する合同委員会(JCVI)のアントニー・ハーンデン副委員長は、今回の英当局の判断は「英国内の疫学に基づいている」と強調。ドイツは感染率が高く、アストラゼネカ製ワクチンのメリットとリスクのバランスが英国とは異なるとした。
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