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米、北京冬季五輪を外交ボイコット 中国の人権侵害に抗議

ロイター / 2021年12月7日 9時41分

ホワイトハウスのサキ報道官は6日の定例記者会見で、米国は来年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しないと発表した。9月撮影(2021年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 6日 ロイター] - ホワイトハウスのサキ報道官は6日、来年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を発表した。中国による新疆ウイグル自治区などの人権侵害に抗議する狙いがある。米中関係の一段の緊張を招くのは必至だ。

報道官は「バイデン政権は北京冬季五輪に外交使節団や当局者を派遣しない。中国による新疆ウイグル自治区での虐殺や人道に対する罪、その他の人権侵害が理由だ」と述べた。ただ、米国選手団の派遣には影響せず、選手らを全面的に支援すると表明した。

米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)の最高経営責任者(CEO)、サラ・ハーシュランド氏は、外交ボイコットに関する発表後に声明で、米国選手団は「米国の誇りになる準備ができている」とし、「米大統領および米政権の揺るぎない支援に大いに感謝しており、冬季五輪を自国から応援してくれると確信している」と述べた。

サキ報道官によると、米国は今回の決定を同盟国に伝えたが、同盟国も外交ボイコットを実施するかどうかは各国の判断に委ねられているという。

米国務省のプライス報道官は、バイデン政権は米企業が外交ボイコットに参加することを望んでいるかとの質問に対し、「民間企業に対しては新疆ウイグル自治区を巡る状況を十分認識し、完全な情報を基に行動することを望んでいる」とした上で、民間企業が採用すべき活動を指示するのは米政府の役割ではないとした。

五輪の放映権に詳しいCBSスポーツ元幹部のニール・ピルソン氏は、五輪のスポンサー企業は「気まずい」思いをしているはずだが、政府は契約を打ち切るべきだと示唆したわけではないと指摘。スポンサーにとって「最も重要な問題は、米国の選手団が参加するかどうかだ」と語った。

米放送大手NBCユニバーサルの広報担当は、中国から五輪を中継する予定に変わりはないと述べた。

中国の在米大使館の報道官は米国の外交ボイコット表明を受け、電子メールで「こうした思い上がった行為は政治的な操作でしかなく、オリンピック憲章の精神を著しく歪める」と非難。「米国の政治家に招待状は全く送られていない。このため『外交ボイコット』にはそもそも根拠がない」と述べた。

中国外務省は先に、米国が外交ボイコットを決めた場合は「対抗措置」を取ると表明していたが、具体的には説明しなかった。

国際オリンピック委員会(IOC)は五輪は「政治を超越」すべき存在だと指摘。広報担当者は「政府当局者や外交使節団の派遣は各政府による完全に政治的な決定で、IOCは政治的中立の立場から決定を尊重する」とした。

カナダ外務省は声明を出し、「中国での人権侵害に関する憂慮すべき報道を引き続き不安視している」と表明。米国の決定について知らされており、同盟国などとこの問題に関する協議を継続するとした。

中国国営メディアはこれまで、中国政府は外交ボイコットを検討している西側諸国の政治家を北京五輪に招待しないと報じている。中国の招待を受け入れた主要国はロシアのみとなっている。

報道によると、オーストラリアと英国は外交ボイコットを検討しているという。

欧州連合(EU)のサンニーノ対外行動庁事務総長は先週、外交ボイコットは加盟国が個別に決めることで、EU共通の外交政策ではないとの見解を示した。

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