NY市場サマリー(7日)ドル・株式下落、10年債利回り2年ぶり高水準
ロイター / 2022年1月8日 7時50分
[7日 ロイター] -
<為替> ドルが下落。1日当たりの下落率が6週ぶりの大きさとなった。12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことを受けた。
ドル指数は0.546%安の95.734。下落率は新型コロナウイルスのオミクロン変異株を巡る懸念が高まった11月26日以来の大きさとなった。ただ週間ではわずかに上昇する見込み。週間での上昇は3週ぶりとなる。
米労働省が7日発表した2021年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万9000人増と、市場予想の40万人増を下回った。労働力不足が重しとなった。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が混乱する中、短期的には雇用の伸びは緩やかな状態が続く可能性がある。
同時に、12月の失業率は22カ月ぶりの低水準となる3.9%と、前月の4.2%から改善し、労働市場がタイトな状態になっていることが示された。市場予想は4.1%だった。
雇用統計を受け、今後数年間の米短期金利の期待を示すフェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、3月会合で利上げが決定される確率は一時約90%となった。前日は80%だった。
ユーロは0.62%高の1.1361ドル。欧州連合(EU)統計局が7日発表した12月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が5%となったが、ユーロへの影響は限定的だった。その後に発表された米雇用統計を受け強含んだ。
日本円は対ドルで0.22%上昇し115.59円。
ポンドは0.47%高の1.3592ドル。3週連続で上昇する見込み。IHSマークイット/CIPSが7日発表した12月の英国の建設業購買担当者景気指数(PMI)は54.3と、3カ月ぶりの低水準だったが、影響は乏しかった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.96%安の4万1822.60ドル。一時4万0600ドルと9月22日以来の安値を付けた。イーサは6.27%安の3194.51ドルと3日続落。一時10月1日以来の安値を付けた。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米10年債利回りが2年ぶりの高水準を付けた。12月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回ったものの、米連邦準備理事会(FRB)が3月会合で利上げを決定するとの見方が維持されたことを受けた。
10年債利回りは1.801%と2020年1月以来の高水準となった。
週間では約25ベーシスポイント(bp)上昇。上昇幅は19年9月以降で最大となった。
米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は7日、年内に緩やかなペースでの利上げを実施し、FRBが前回進めたよりも早期にバランスシートの縮小に着手することを支持すると表明した。
今後数年間の米短期金利の期待を示すフェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、3月会合で0.25%ポイントの利上げが決定される確率は約80%。年末までに3回以上の利上げが見込まれている。
米労働省が7日発表した21年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万9000人増と、市場予想の40万人増を下回った。ただ、失業率は22カ月ぶりの低水準となる3.9%と、前月の4.2%から改善したほか、時間当たり平均賃金が前月比0.6%上昇と、11月の0.4%上昇から伸びが加速したことを受け利回りが上昇した。
終盤の取引で10年債利回りは3bp上昇の1.7673%。
30年債利回りは一時2.145%と11週間ぶりの高水準。終盤は2bp上昇の2.1137%。週間では約21bp上昇し、約1年ぶりの高さとなった。
2年債利回りは0.908%と20年3月以来の高水準に上昇。ただ、終盤は1bp低下の0.8611%。
5年債利回りは20年1月以来の高水準となる1.525%まで上昇した。終盤は2bp上昇の1.5003%だった。週間では約24bp上昇と、上昇幅は19年9月以来最大となった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 下落して取引を終えた。この日発表された12月の米雇用統計で米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測が強まったほか、新型コロナウイルスのオミクロン株感染の収束が見えないことが背景にある。2022年最初の週は、週ベースでも下落した。
ナスダックは週ベースで21年2月以来最大の下落率を記録し、全体相場の下げを主導した。
米労働省が7日発表した21年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万9000人増と、市場予想の40万人増を下回った。ただ、失業率は22カ月ぶりの低水準となる3.9%と、前月の4.2%から改善したほか、時間当たり平均賃金が前月比0.6%上昇と、11月の0.4%上昇から伸びが加速した。
業種別では、一般消費財と情報技術が下落を主導。長期金利の上昇が支援材料となり、金融は高い。銀行株指数も週間で9.4%上昇し、20年11月以来最大の上昇率を記録した。
今週はオミクロン株への感染拡大も重しとなった。
投資家は、ハイテクを中心とした成長株から、高金利下でも比較的投資妙味が期待できるバリュー株へとシフトしている。今週はS&P500バリュー株指数が1%上昇する一方、成長株指数は4.5%下落した。
S&P500のエネルギーセクターは今週、10.6%上昇。20年11月以来の大幅高となった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロでのドル軟化に支えられ、反発した。2月物の清算値(終値に相当)は前日比8.20ドル(0.46%)高の1オンス=1797.40ドル。中心限月ベースで週間では31.20ドル(1.71%)の下落。
米労働省が朝方発表した昨年12月の雇用統計を受けて、外国為替市場では対ユーロでドルが軟化。ドル建て商品である金の割安感につながり、買いを誘った。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 就業者数の伸びが市場予想を下回った米雇用統計の発表をきっかけに売られ、5営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、 前日比0.56ドル(0.70%)安の1バレル=78.90ドル。一方、週間では4. 91%上昇した。
米労働省が朝方発表した昨年12月の雇用統計は強弱入り交じった内容だったが、これを受けて原油の売りが優勢となった。前日まで4日続伸していた反動で、利益確定の売りも出たもようだ。
一方、ロイター通信によると、中東アジアの旧ソ連構成国カザフスタンの反政府デモをめぐっては、ロシア主導の軍事同盟が平和維持部隊を派遣して以降、落ち着きを取り戻した。ただ、シェブロンによると、デモを支持する一部の契約業者が原油輸出に利用される鉄道の運行を妨害した影響で、カザフ最大のテンギス油田の生産量が減少したという。カザフは石油輸出国機構(OPEC)非加盟ながら「OPECプラス」のメンバーで、日量160万バレルを生産している。
OPECやロシアなどの主要産油国は、2月も小幅な増産計画の継続を決定しており、供給逼迫(ひっぱく)への懸念が支援材料となり、原油相場は週間では5%近く上昇した。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 115.55/115.58
始値 115.78
高値 115.92
安値 115.52
ユーロ/ドル NY終値 1.1359/1.1363
始値 1.1303
高値 1.1364
安値 1.1293
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時04分 94*21.50 2.1167%
前営業日終値 95*05.50 2.0930%
10年債(指標銘柄) 17時03分 96*15.50 1.7655%
前営業日終値 96*24.50 1.7330%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*25.25 1.5036%
前営業日終値 98*29.25 1.4770%
2年債(指標銘柄) 17時03分 99*24.50 0.8701%
前営業日終値 99*23.75 0.8820%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 36231.66 -4.81 -0.01
前営業日終値 36236.47
ナスダック総合 14935.90 -144.96 -0.96
前営業日終値 15080.87
S&P総合500種 4677.03 -19.02 -0.41
前営業日終値 4696.05
COMEX金 2月限 1797.4 +8.2
前営業日終値 1789.2
COMEX銀 3月限 2240.9 +21.9
前営業日終値 2219.0
北海ブレント 3月限 81.75 ‐0.24
前営業日終値 81.99
米WTI先物 2月限 78.90 ‐0.56
前営業日終値 79.46
CRB商品指数 237.8980 +1.1456
前営業日終値 236.7524
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