英首相、ルワンダへの移民強制移送計画で緊急法案

　１２月７日、英国のスナク首相（写真）は、同国に不法入国した移民をアフリカ中部ルワンダに強制移送する計画に関する緊急法案を策定した。写真は１１月英国のギルフォードでの代表撮影（２０２３年／ロイター）

Alistair Smout　Michael Holden

[ロンドン ６日 ロイター] - 英国のスナク首相は６日、同国に不法入国した移民をアフリカ中部ルワンダに強制移送する計画に関する緊急法案を策定した。

英政府が前日、ルワンダとの間でこの計画のための新協定を締結したのを受けた措置。英最高裁は計画が人権法に違反するとの判断を示しており、これを克服するための法案となる。

最高裁は、ルワンダの亡命希望者受け入れ制度には問題があり、移民が母国に送還されて虐待される恐れがあるとした。これに対し、緊急法案はルワンダが移民にとって安全な国だと宣言している。

ルワンダを巡る計画は、スナク政権の移民政策の中心を成し、来年に予想される選挙に向けて与党保守党の命運を左右しかねない。だが法案を巡って保守党内の意見は対立しており、ロバート・ジェンリック移民担当相は同日、法案は踏み込みが足りないと批判して辞任。緊急立法は出はなをくじかれた格好となった。

政府は緊急法案について「これまでに提出された中で最も厳格な移民法案」だとし、早急に議会で審議する方針を示した。