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巨大テック企業への依存、銀行業界の新たなリスクに AI普及で

ロイター / 2024年6月7日 18時21分

今週アムステルダムで開催されたフィンテックイベント「Money20/20」では、AIの普及で米国の巨大テック企業への依存が高まり、金融業界の新たなリスクになるとの声が欧州の銀行幹部から上がった。写真は2023年6月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Elizabeth Howcroft

[アムステルダム 7日 ロイター] - 今週アムステルダムで開催されたフィンテックイベント「Money20/20」では、人工知能(AI)の普及で米国の巨大テック企業への依存が高まり、金融業界の新たなリスクになるとの声が欧州の銀行幹部から上がった。

金融業界では、すでに詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)の検知にAIが広く利用されているが、AI機能の開発には膨大な演算能力が必要になるため、これまで以上に少数の巨大テック企業に依存することになるとの懸念が浮上している。

INGでAI業務を担当するバハディル・ユルマズ最高分析責任者(CAO)はロイターに対し、インフラや機械の面で「今後ますます」巨大テック企業に依存することになるだろうと発言。

「銀行がこうした技術を構築するのは現実的ではない」ため、銀行が少数のテック企業に依存することが「最大のリスクの1つ」になると述べた。

その上で、特に欧州の銀行は複数のテック企業と契約を結び、囲い込みを避けるべきだと語った。

ドイツ銀行の法人向け金融部門でテクノロジー戦略を統括するジョアン・ハンナフォード氏も「AIには膨大な量の演算能力が必要になり、そうした演算能力に賢明な形でアクセスできるのは巨大テック企業だけだ」との見方を示した。

フランスのAI新興企業ミストラルAIのアーサー・メンシュ最高経営責任者(CEO)は、生成AI製品と金融サービスには「相乗効果」があると発言。「分析や情報の監視で多くのチャンスがあるが、これはまさに銀行が求めていることだ」と述べた。

英国は昨年、金融機関がマイクロソフト、グーグル、IBM、アマゾンなど外部のハイテク企業に過度に依存することを規制するルールを提案。1社のクラウドコンピューティング事業者で問題が発生すれば、多くの金融機関のサービスが停止する恐れがあるとの懸念を示した。

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