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米5月雇用、予想上回る27.2万人増 失業率上昇も賃金伸びは再加速

ロイター / 2024年6月8日 2時31分

 米労働省が7日発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。マサチューセッツ州メドフォードで2023年1月撮影(2024年 ロイター/Brian Snyder)

Lindsay Dunsmuir

[7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。賃金の伸びも再加速し、労働市場の耐性を強調する内容だった。

ロイターがまとめた予想は18万5000人増。予想レンジは12万人増─25万8000人増。5月の増加数は過去1年間の月平均(23万2000人)を上回った。ただ、3月と4月の増加数は合計1万5000人下方改定された。

失業率は3.9%から4.0%に上昇。4%割れの連続記録は27カ月で途切れた。

雇用統計が予想外に強かったため、市場では米連邦準備理事会(FRB)は当面、様子見姿勢を維持し、利下げ開始時期の決定に時間をかけることになるとの見方が広がった。

アネックス・ウェルス・マネジメントの主任エコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「減速はここまでだ。雇用者の増加数は目を見張るものだ。FRBはこれを、経済成長をあまり心配せずにインフレ鎮静化に引き続き集中できると受け止めるだろう」と述べた。

雇用は広範な業種で拡大。裾野の広さは昨年1月以来の水準となった。

業種別では、ヘルスケア関連で6万8000人の雇用が創出され、全体の増加をけん引した。

政府部門の雇用者数は4万3000人増加した。レジャー・接客業は4万2000人増。そのうち半分強が飲食サービス業だった。

専門・ビジネスサービス部門では3万2000人増。

一方、百貨店や家庭用家具小売店では小幅に減少した。

時間当たり平均賃金は前月比0.4%上昇した。4月は0.2%上昇だった。前年比では4.1%上昇。4月は4.0%上昇に上方修正された。賃金上昇幅は3.0─3.5%であればFRBの2%のインフレ目標と一致するとされている。

平均週労働時間は34.3時間で変わらずだった。

コメリカバンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムズ氏は「賃金の伸び加速は、FRBが金融緩和に着手すればインフレ圧力が再び高まる可能性があることを示している」と指摘。同時に「失業率が上昇していることで、この先賃金上昇が鈍化し、消費者需要が軟調になり、インフレが低下する可能性もある」と述べた。

労働力参加率は62.5%と、前月の62.7%から低下。20─24歳の労働参加が減少したことで、今年これまでに見られていた進展が反転した。ただ、25─54歳と定義される「働き盛りの年齢層」の参加率は22年ぶりの高水準を付けた。

一部エコノミストは、雇用の大幅な増加と失業率の上昇の矛盾を指摘している。マクロ研究所のシニア投資ストラテジスト、ブライアン・ニック氏は「これら2つの数字が全く異なることを示しているため、投資家もFRBも、何が起きているのか正確に把握するのは非常に困難だ」と述べた。

フェデラルファンド(FF)金利先物は、FRBが9月までに利下げに着手する確率が53%であることを示す水準にある。雇用統計発表前は約70%だった。FRBが年末までに2回の利下げを行う確率は約50%。雇用統計発表前は68%だった。

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