米9月利下げ観測後退、予想上回る雇用統計受け
ロイター / 2024年6月8日 1時47分
米労働省が7日発表した5月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回って増加したことに加え、賃金の伸びも予想を上回ったことを受け、短期金融市場で連邦準備理事会(FRB)が9月の会合で利下げを開始するとの観測が後退した。2022年6月撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)
[7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した5月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回って増加したことに加え、賃金の伸びも予想を上回ったことを受け、短期金融市場で連邦準備理事会(FRB)が9月の会合で利下げを開始するとの観測が後退した。
5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。時間当たり平均賃金は前年同月比4.1%増加。伸びは予想の3.9%を上回った。[nL6N3I50F3]
フェデラルファンド(FF)金利先物は、FRBが9月までに利下げに着手する確率が53%であることを示す水準にある。雇用統計発表前は約70%だった。FRBが年末までに2回の利下げを行う確率は約50%。雇用統計発表前は68%だった。
ネイションワイドのチーフ・エコノミスト、キャシー・ボストジャンシック氏は「これまでは9月に利下げが開始され、年内に合計0.50%ポイントの利下げが実施されると予想していたが、雇用の堅調な伸びが続いていることから、利下げ時期が後ずれする可能性が高まった」と述べた。
ただ、失業率が3.9%から4.0%に上昇し、4%割れの連続記録が27カ月で途切れるなど、今回の雇用統計には軟調な部分もあった。
労働省は来週12日に5月の消費者物価指数(CPI)を発表。BMOキャピタル・マーケッツのエコノミスト、スコット・アンダーソン氏は、5月の雇用統計が一部「曖昧」だったことで、来週発表のCPIのほか、11-12日の連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル議長の記者会見などの注目度が高まっていると述べた。
FRBは来週のFOMCで金利を据え置くとの見方が大勢となっている。
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