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米、価格上限を超えるロシア産原油運搬のタンカーを制裁へ

ロイター / 2025年1月7日 10時9分

バイデン米政権はウクライナに侵攻したロシアへの制裁を強化するため、西側諸国が定めた価格上限の1バレル当たり60ドルを超えたロシア産原油を運ぶタンカーに対する制裁を計画していることが分かった。2022年3月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

Timothy Gardner Nidhi Verma

[ワシントン/ニューデリー 6日 ロイター] - バイデン米政権はウクライナに侵攻したロシアへの制裁を強化するため、西側諸国が定めた価格上限の1バレル当たり60ドルを超えたロシア産原油を運ぶタンカーに対する制裁を計画していることが分かった。事情を知る3人の関係者が明らかにした。

ウクライナ支援に対する米国の負担についてしばしば不満を口にしているトランプ米次期大統領が今月20日に就任するのを前に、ウクライナへの支援を強化する狙いがある。米当局者の1人は制裁対象について「ロシアの石油会社2社、100隻を超えるタンカー、石油トレーダー、ロシアの保険会社などになる」と企業名を挙げずに語った。

ロシアは世界の3大産油国の一つとなっており、ロシア産原油は価格上限を超えて販売されても通常は全体の原油市場より割安な価格で販売されている。中国やインドが積極的にロシア産原油を購入している。

1人の米当局者は、米国がインド外務省に対して今後実施する制裁について通告したと語った。

インド外務省は、ロイターのコメント要請に直ちには応じなかった。

別の関係者は、上限価格を超えたロシア産原油の取引に関与している人々の一部も制裁対象に含まれる可能性が高いと指摘した。

ロシアは「シャドーフリート(影の船団)」と呼ばれる老朽化した船舶を使うことで価格上限を回避してきた。海運専門家によると、シャドーフリートの多くは安全性が劣り、石油を流出させるリスクが高い。

ロシアのウクライナ侵攻後、米国は数百隻あると推定されているシャドーフリートのうち数十隻を制裁した。

イエレン米財務長官は昨年12月にロイターに対し、米国がタンカーへの制裁拡大を検討しており、ロシアの石油収入と外国から供給を減らすために中国の銀行への制裁も辞さないと表明していた。

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