EU海上輸送の新規制、代替燃料の船舶に恩恵
ロイター / 2025年1月7日 14時16分
1月6日、欧州連合(EU)で1日に発効した海上輸送の二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けた新規制「FuelEU海事規制」について船舶仲介業者2社は、海運コストの増加につながる一方、代替燃料を使う船舶は恩恵を受けるとの見通しを示した。写真はAPモラーマースクの船舶、オーフス港で2024年8月撮影(2025年 ロイター)
Enes Tunagur
[ロンドン 6日 ロイター] - 欧州連合(EU)で1日に発効した海上輸送の二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けた新規制「FuelEU海事規制」について船舶仲介業者2社は、海運コストの増加につながる一方、代替燃料を使う船舶は恩恵を受けるとの見通しを示した。
この規制はEUの港湾を発着する5000総トン超の商業船舶に対して航海で使用する燃料の削減を義務付け、順守できない場合には制裁金を科す。海運業界のCO2削減を狙ったEUの主要規制第2弾となる。海運は世界のモノの貿易の80%超を占めており、温室効果ガス排出量のうち3%弱を出している。
船舶仲介業者クラークソンズのグリーン移行責任者、ケネス・ツベター氏は、船舶用のバイオ燃料が不足している上、航空など他セクターとの競争もあるため、海運企業のコストは増加すると予想。コストは最終的に消費者や企業に転嫁されるとし、「海運の脱炭素化はインフレ的であることを理解しておくことが重要だ」と述べた。
一方、ツベター氏は代替燃料で運航できる船舶は恩恵を受けるとし、バイオディーゼル混合燃料や液化天然ガス(LNG)が最も入手しやすい代替燃料だと指摘した。
船舶仲介業者BRSの炭素市場責任者、マッティア・フェラッキアート氏も、船舶は化石燃料より高い環境に優しい燃料の料金を支払うか、さもなければ罰金を支払うことになるため、運賃は高くなると指摘した。
規制では、対象となる船舶は2025年から29年にかけて、CO2換算排出量を基準値の91.16グラムから毎年2%削減するよう求められる。削減目標は5年ごとに引き上げられ、50年には80%に達する見通しだ。
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