中国外相がアフリカ訪問、35年連続 影響力を強化
ロイター / 2025年1月7日 14時39分
Joe Cash
[北京 6日 ロイター] - 中国の王毅外相は5日、アフリカ4カ国を訪問する旅程を開始した。同国外相による新年のアフリカ訪問は35年連続となる。今年は11日までの日程でナミビア、コンゴ共和国、チャド、ナイジェリアを歴訪する。
欧州のアフリカにおける存在感が弱まり、米国がアフリカへの支援を後退させる中、中国は資源豊富なアフリカ大陸全体での影響力を強化する取り組みを進める狙いだ。
世界各国の政府や投資家がトランプ次期米大統領の就任に備え、ドイツとフランスの閣僚はロシアのウクライナ侵攻、中東での戦闘、国内政治問題への対応に忙殺される状況下で、王氏はアフリカ4カ国を訪ねる。中国は多額の債務を抱えるアフリカ各国への金融支援を強化するとともに、重要な鉱物資源を巡る取引の締結や、輸出品を吸収する市場の確保を目指している。
中国-グローバルサウス・プロジェクトの共同創設者、エリック・オーランダー氏は「毎年どの国を訪問するかという決定が対外的な理論に従っているということはほとんどない」と指摘。だが中国外相のアフリカ訪問は「米国、英国、欧州連合(EU)の姿勢とは対照的に、中国がアフリカに手厚く対応する一貫した姿勢を改めて意識させるものとして、アフリカでは鳴り響いている」と述べた。
中国外務省の郭嘉昆副報道局長は6日の定例記者会見で「アフリカは決して忘れられた大陸ではなく、活力の根源であり、開発の可能性で溢れている大陸であると中国は確信している」と語った。
中国経済が減速する中、アフリカはプロジェクトの確保に苦戦している中国の国有インフラ企業に活路を与え、欧米から供給過剰と指摘されている中国の電気自動車(EV)や太陽光パネルといった部門に市場を提供する格好となっている。
国連でアフリカ諸国が保有する50カ国余りの投票権も、国際機関の組織や国際基準を、特に人権問題などで中国の利権に沿った方向に修正する中国の取り組みに資する可能性がある。
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