欧州酒類大手、中国事業に厳しい見方 貿易摩擦激化で一段と
ロイター / 2025年2月7日 14時11分
2月6日、デンマークのビール大手カールスバーグとフランスの蒸留酒大手ペルノ・リカールは、相次いで決算を発表し、今年の経営を取り巻く環境が厳しいとの見方を示した。コペンハーゲンで2022年撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)
Dominique Patton Emma Rumney
[パリ/ロンドン 6日 ロイター] - デンマークのビール大手カールスバーグとフランスの蒸留酒大手ペルノ・リカールは6日、相次いで決算を発表し、今年の経営を取り巻く環境が厳しいとの見方を示した。
中国消費回復の兆しがほとんど見られない上、第2次トランプ米政権が打ち出す高関税政策に伴う世界的な貿易摩擦の激化が背景にある。
カールスバーグのアールプ・アンデルセン最高経営責任者(CEO)氏はアナリスト向けオンライン説明会で、同社最大の市場である中国で昨年、需要低迷が続いて販売量が落ち込んだと説明。「(中国)経済に大きな変化はないと予想しており、判断するには時期尚早だ」と述べ、今後も中国事業が厳しい経営課題となる見通しを明らかにした。
同社によると、中国で昨年、レストランやバー、その他のイベント会場でのビール販売が悪化した。同社推計ではビール市場は4―5%縮小した。他のアジアでも同様という。
ただ、アンデルセンCEOは、中国の春節休暇前に卸売業者と小売業者がビール在庫を積み上げたことを挙げて期待感を示した。
しかし、ペルノは慎重な見方を示した。春節休暇期間の商品の動きが極めて不調で、贈答品販売も大きく落ち込んだと指摘。今年の中国事業も苦戦を強いられる予兆と受け取った。
ペルノは6日、上半期決算を前倒し発表し、中国事業の売上高が25%減、米国では7%減だったと開示した。
同社は今年の売上高見通しも、従来の小幅増収から1桁台前半に落ち込むと大幅に下方修正した。中国によるコニャック輸入関税が主な要因だが、発端は欧州連合(EU)が発動した電気自動車(EV)輸入関税。中国が報復関税でコニャックを対象に挙げた。
また、トランプ政権がメキシコやカナダ、EUからの輸入品に関税を課すと脅しており、現実化すればペルノが手がける幅広いブランドが打撃を受けそうなことも下方修正の要因だ。
衣料品大手カナダ・グース・ホールディングスも中国事業で苦戦している。高級品市場として重要だが販売は不安定で、四半期売上高が予想を下回る原因だったという。
チョコレートから歯磨き粉まで各種メーカー企業の経営者らは先週、相次いで第4・四半期業績をオンラインで説明したが、いずれも中国の事業見通しは悲観的だった。
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