経常収支、4月は2627億円の黒字 前年同月比84.2%減=財務省
ロイター / 2020年6月8日 12時38分
[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、4月の経常収支は2627億円の黒字となった。輸出の減少が輸入の減少を上回ったことで貿易収支の赤字幅が拡大し、経常黒字は前年同月に比べて1兆3986億円(同84.2%減)縮小した。黒字額の縮小幅は2009年3月以降で最大となった。
貿易・サービス収支は1兆5967億円の赤字で、赤字幅は同1兆1134億円拡大した。
貿易収支は9665億円の赤字で、赤字幅は同8465億円拡大した。輸出が4兆9090億円で、前年同月比1兆4666億円減少し、2009年10月以来の大幅減少となった。財務省は、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、主に米国の工場が停止したことで、輸出入ともに大きく落ち込んだとみている。
サービス収支は6302億円の赤字で、同2669億円赤字幅が拡大。旅行収支の黒字幅が大幅に縮小したことで、サービス収支は赤字幅が拡大した。
旅行収支は225億円の黒字だったが、黒字幅は同92%減少した。新型コロナウイルスの影響で訪日外国人旅行者数はわずか2900人(前年同月比99.9%減)で、インバウンド需要が蒸発したことが影響した。
第1次所得収支は1兆9835億円の黒字で、黒字幅は前年同月比1664億円縮小。証券投資収益の黒字幅が縮小したことが主因。
<6月以降は経常収支改善の可能性、依然リスク高い>
第一生命経済研究所・経済調査部の奥脇健史エコノミストは、5月も輸出入ともに減少する可能性を指摘。「経常収支の黒字額は依然として低水準で推移する可能性が高く、4─6月期の経常収支の悪化は避けられないだろう」と予測する。
6月以降については、新型コロナウイルスの感染第2波のリスクや、米中対立の先行きが不透明なことを踏まえ、「対外的な経済活動再開の兆しが見えることで経常収支も改善の方向に向かうが、どの程度改善するかは現時点で予測が難しい」との見方を示した。
*財務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/release_date.htm
*本文中の誤字を修正して再送します。
(浜田寛子 編集:山川薫)
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