メキシコ大統領がトランプ氏を称賛 初の首脳会談は争点に触れず
ロイター / 2020年7月9日 8時21分
[ワシントン 8日 ロイター] - メキシコのロペスオブラドール大統領が8日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と初めて会談した。表向きは米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」の発効を祝う首脳会談だが、両首脳は両国関係の明るい側面を強調した一方、経済や違法薬物、移民の分野における意見の相違についてほとんど触れなかった。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を考慮し、両大統領は握手を避けたが、マスクはともに着用していなかった。
7月1日のUSMCA発効を祝う会合は当初2日間の予定だったが、米政府がカナダ製品への関税発動を検討していることなどからカナダのトルドー首相が出席を見合わせたため、1日に短縮された。
トランプ大統領はトルドー首相とは後で話すと語った。
トランプ大統領は4年前の選挙戦でメキシコからの移民を侮蔑する発言を繰り返し、メキシコ国境への壁設置を公約。昨年にはメキシコへの関税発動をちらつかせ、ロペスオブラドール政権に不法移民対策を強化させていた。
こうした経緯にもかかわらず、ロペスオブラドール大統領は会談で、トランプ氏を称賛。「われわれの主権を侵すようなことを一度も試みなかったことに深く感謝している。(メキシコを)植民地のように扱うことはなかった」とし、トランプ氏がメキシコに優しさと敬意をもって接してきたと米国民に伝えたい、と述べた。
トランプ氏は、ロペスオブラドール氏と今回署名した共同声明について、今後の両国の繁栄、安全保障、調和に向けた取り組みを約束するものだと語った。
関係者2人によると、ロペスオブラドール大統領が進めようとしているエネルギーインフラ分野での数十億ドル規模の契約再交渉に関し、民間企業がトランプ大統領に懸念を示すよう求めたもよう。
ロペスオブラドール政権は2013─14年に実施したエネルギー産業の開放を徐々に後退させ、政府が主導する形を選好。主要な契約の多くに疑問を投げかけている。
一方、米高官は6日夜、メキシコ政府がエネルギー産業での契約継続を確約したと述べた。
今回の米メキシコ首脳会談には、メキシコの大富豪カルロス・スリム氏などが参加。8日夜にはトランプ氏および米企業幹部とホワイトハウスで会食する。
ホワイトハウスによると、ロペスオブラドール氏を含むメキシコ代表団全員がトランプ氏との会談前に新型コロナ検査を受けた。
*内容を追加しました。
この記事に関連するニュース
-
メキシコ大統領が米テスラ工場建設に自信、中断懸念を否定
ロイター / 2024年7月25日 15時6分
-
トランプ氏が米共和党大統領候補の指名受諾演説、国民に団結呼びかけ、現政権との対立軸強調(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月22日 11時10分
-
情報BOX:関税引き上げや不法移民送還、トランプ氏「2期目」の公約
ロイター / 2024年7月16日 18時5分
-
米国際貿易委、セーフガード調査でファインデニールPSFの輸入増加を損害認定(米国、日本、カナダ、メキシコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月12日 13時30分
-
米、中国産鉄鋼・アルミのメキシコ経由輸入による関税逃れを阻止
ロイター / 2024年7月11日 9時52分
ランキング
-
1ウクライナが秘密作戦か ロシアが米長官に警告と報道
共同通信 / 2024年7月28日 9時58分
-
2「現地住民に止められても」南米コロンビアの危険地域で動画撮影…韓国ユーチューバー、袋叩きに
KOREA WAVE / 2024年7月28日 7時0分
-
3滑落は平出さんと中島さん=K2で不明、トップクライマー―パキスタン
時事通信 / 2024年7月28日 14時59分
-
4夏休みの子どもたちが軍事トレーニング「愛国軍事キャンプ」 ロシア
日テレNEWS NNN / 2024年7月28日 12時9分
-
5韓国、佐渡金山「誠実な姿勢を」 趙外相、日本政府に注文
共同通信 / 2024年7月28日 16時11分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください