ロシュとサノフィのリウマチ薬、重症コロナ患者の死亡率低下効果
ロイター / 2021年1月8日 16時57分
1月7日 関節リウマチ薬を新型コロナウイルス感染症の治療に用いる臨床試験で、スイスの製薬ロシュの「アクテムラ」とフランスの同サノフィの「ケブザラ」のいずれかの使用により重症患者の死亡率が大きく低下し、集中治療室(ICU)の治療期間を短縮したとする研究が発表された。写真は2020年2月、フランスのパリで撮影(2021年 ロイター/Benoit Tessier)
[ロンドン 7日 ロイター] - 関節リウマチ薬を新型コロナウイルス感染症の治療に用いる臨床試験で、スイスの製薬ロシュの「アクテムラ」とフランスの同サノフィの「ケブザラ」のいずれかの使用により重症患者の死亡率が大きく低下し、集中治療室(ICU)の治療期間を短縮したとする研究が7日、発表された。研究はまだ査読を経ていない。
国際的に実施された臨床試験の対象は約800人。入院した重症患者の死亡率は27.3%で、対照群の35.8%より8.5%ポイント低かった。研究の共著者であるインペリアル・カレッジ・ロンドンのアンソニー・ゴードン教授は、いずれかの療法で重症患者12人に1人の命が救われることを意味するとした。データは医療科学のウェブサイト「medRxiv」で発表された。
英政府は、ICUの重症患者に今回の療法を速やかに導入するよう医師らに求めると表明した。ジョナサン・バンタム副主任医務官は声明で、集中治療と病院、救命治療への圧力を和らげるのに極めて重要になると指摘した。
研究はいずれかの療法を受けた重症患者が、受けていない患者に比べ、ICUからの退室期間が7─10日程度短縮したことも示した。
既存療法のコロナ治療転用では、これまでにステロイド薬「デキサメタゾン」や、米ギリアドの抗ウイルス薬「レムデシビル」が重症患者の治療に承認されている。
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