海峡渡る難民の入国禁止、英政府が新法の詳細公表

　３月７日、英政府は、小型ボートで英仏海峡を渡って来る亡命希望者の入国を禁止する新たな法律の詳細を発表した。写真はロンドンで同日会見するスナク首相。代表撮影（２０２３年　ロイター）

［ロンドン　７日　ロイター］ - 英政府は７日、小型ボートで英仏海峡を渡って来る亡命希望者の入国を禁止する新たな法律の詳細を発表した。

新法では、小型ボートを使い英仏海峡を越えて英国に来た場合は亡命を申請することができなくなり、母国かもしくは「安全な第三国」に送還される。

ブレイバーマン内相によると、亡命を申請できるのは子ども、飛行機に乗れないほど体調が悪いと考えられる人、「深刻かつ不可逆的な危害を受けるリスクがある人」だけとなる。

内務省の統計によると、現在は小型ボートで英国に来た人々の３分の２弱が亡命または別の形の人道的保護を認められている。

イングランド南岸に到着する難民の数は昨年４万５０００人以上と、過去２年間で５００％増加。スナク首相はボートによる亡命希望者の入国阻止を重要課題の１つに挙げている。

英国での亡命申請数全体は２０２２年に７万５０００件近くと２０年ぶりの高水準だったが、欧州連合（ＥＵ）の平均よりは少ない。ドイツは昨年の亡命申請件数が２４万件強だった。