自動運転事故の責任はメーカーに、英政府が法案提出へ

１１月７日、英政府は開発が進む自動運転車の衝突事故を巡り、どのような場合でも責任は保有者でなく自動車メーカーにあると規定する法案を次回の議会に提出する方針を表明した。保険会社や自動運転関連の新興企業は歓迎する考えを示した。英国内で２０２０年８月撮影（２０２３年　ロイター/Toby Melville）

Alistair Smout　Nick Carey

［ロンドン　７日　ロイター］ - 英政府は７日、開発が進む自動運転車の衝突事故を巡り、どのような場合でも責任は保有者でなく自動車メーカーにあると規定する法案を次回の議会に提出する方針を表明した。保険会社や自動運転関連の新興企業は歓迎する考えを示した。

法案では、安全性の枠組み改善と事故調査に向けたプロセスを定め、自動運転車としての分類基準を設定する見通しだ。政府は「自動運転中のことに対する責任は保有の各個人でなくメーカーが負うことになる」と説明した。

英国では次期総選挙が来年実施されるとの見方が出ている。企業の間では、総選挙までに自動運転技術の規制法成立のめどが立たなければ、英国は投資の好機を逃し、新興企業は英国外で製品テストを行うだろうとの声が上がっていた。

米マイクロソフトを含む投資家から約２億６０００万ドルを調達した自動運転の新興企業ウェイヴのアレックス・ケンドール最高経営責任者（ＣＥＯ）は「（自動運転車に関する）新しい第１次立法は、研究開発への投資を続けて英国で人材基盤を成長させる自信を与えてくれる」と語った。

世界的な保険大手アクサの英国とアイルランド事業責任者タラ・フォーリー氏は「英経済と交通安全、（環境やエネルギー問題などに対応した）グリーン雇用などに多種多様な利益があるだろう」と述べた。さらに「保険会社にとっても、自動運転を巡る責任の所在を確定することに関し、極めて重要な透明性がもたらされる」と付け加えた。