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アングル:米副大統領候補ワルツ知事の手腕、フロイドさん事件で批判と称賛

ロイター / 2024年8月8日 9時37分

 8月7日、米ミネソタ州のティム・ワルツ知事が民主党副大統領候補に選ばれたことで、2020年の黒人男性ジョージ・フロイドさん暴行死事件をきっかけとした抗議行動への同氏の対応が再び注目され、批判と称賛を受けている。ペンシルベニア州フィラデルフィアで6日撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)

Bianca Flowers Disha Raychaudhuri

[7日 ロイター] - 米ミネソタ州のティム・ワルツ知事が民主党副大統領候補に選ばれたことで、2020年の黒人男性ジョージ・フロイドさん暴行死事件をきっかけとした抗議行動への同氏の対応が再び注目され、批判と称賛を受けている。

共和党のトランプ前大統領の支持者や極右の批評家は、ミネアポリスで起きた抗議行動に伴う略奪や放火、暴力を止めるために警察を動員するのが遅すぎたと批判。一方で支持者はフロイドさんの死亡に関わった警察官の訴追に尽力したとして同氏を称賛している。

ワルツ氏らは最善を尽くして問題に対処したとしながらも、暴動から数日後の記者会見で、州兵派遣などの決定が遅れたことを認め、市当局の対応は「悲惨な失敗」との認識を示した。

ミネソタ州議会上院が共和党議員の主導でまとめた報告書は、ワルツ氏が暴徒とデモ参加者を区別できず、事態の深刻さを繰り返し過小評価したと主張。「暴力を止めるために武力を使うべきかどうかについて哲学的な議論をしていたため、暴動を止めるために必要なことをすぐにしようとしなかった」と結論付けた。

人権派からは、州検事総長に起訴を指揮させたワルツ氏の決断がフロイドさんを死亡させた白人の元警察官、デレク・ショービン受刑者の有罪判決につながったとして高く評価している。

黒人運動団体「ナショナル・アクション・ネットワーク」のトップを務める著名な黒人運動指導者アル・シャープトン師は「われわれが求めているのは過激すぎる人物ではなく、偏見のない心を持った人物だ。(ワルツ氏は)自分の州における警察の残虐行為にどう対処するかでそれを示した」とロイターのインタビューで述べた。

民主党のハリス副大統領を支持する政治支援団体「ウィン・ウィズ・ブラック・ウーマン」は、事前予告なしで家宅捜索ができる「ノックなし令状」の制限や、容疑者の首を絞める「チョークホールド」の禁止といった暴力防止プログラムや警察改革をワルツ氏は優先していると指摘した。

同団体の創設者Jotaka Eaddy氏は「ワルツ氏の在任期間は、社会正義を推進し、弱い立場にあるコミュニティーや有色人種のコミュニティーを守るという確固たる決意があった」と述べ、重要な時期に「効果的な統治」を示したと評価した。

専門家は共和党がワルツ氏を攻撃するのは難しいとの見方を示している。

ジョンズ・ホプキンス大学のリア・ライト・リグール歴史学教授は「ワルツ氏を追い詰めるのは本当に難しい。彼はトランプ支持者を含むミネソタ州の保守的な共和党支持者から絶大な人気がある。同時に、過去2年間の行動から左派からも多大な支持を得ている」と述べた。

ワルツ氏は知事として、学校給食の無償化、気候変動対策、中流階級への減税、ミネソタ州労働者への有給休暇の拡大などを含む進歩的な政策を推進してきた。

副大統領候補に選ばれたのは、教師や銃所持者という同氏の経歴が中道派や地方の有権者の共感を呼び、ハリス氏とバランスが取れることが理由とみられる。

カリフォルニア州代議員で人権派弁護士のアレバ・マーティン氏は「ワルツ氏は伝統的に共和党支持の州で選挙に勝つ能力を示した。地方の白人有権者の多くがトランプ氏に流れたことは分かっている。そうした有権者を取り戻すチャンスだ」と話した。

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