サムスン、第3四半期利益見通し予想届かず AI半導体苦戦を謝罪
ロイター / 2024年10月8日 11時17分
[ソウル 8日 ロイター] - 韓国サムスン電子は8日、第3・四半期の営業利益が274%増加するとの見通しを示した。ただ、人工知能(AI)サーバー向け半導体の旺盛な需要への対応に苦戦したことから、アナリスト予想は下回った。
営業利益は9兆1000億ウォン(67億8000万ドル)の見通し。LSEGがまとめたアナリスト予想は10兆3000億ウォンだった。
前年同期は2兆4300億ウォン、前四半期は10兆4400億ウォンだった。
サムスンはAI半導体市場でライバルに後れを取っていることを珍しく謝罪した。
半導体部門トップの全永鉉氏は「サムスンが直面している危機について語る人もいるなど、われわれの技術競争力に対する懸念を引き起こしている」と指摘。「今は試練の時だ」と述べ、これをチャンスに変え、長期的な技術競争力の強化に注力すると表明した。
年初来20%超下落しているサムスンの株価は業績見通しを受け、1.2%下落した。
サムスンは、広帯域メモリー(HBM)などサーバー向けチップの需要は堅調だったものの、中国のライバル勢が「レガシー」製品の供給を増やし、一部のモバイル顧客が在庫を調整する中、メモリーチップ事業の利益が減少したと説明した。
サムスンは30年にわたってメモリーチップメーカー世界最大手の地位を維持しているが、従来型と先進型チップの両方で競争が激化している。
また、サムスンは発表文で、主要顧客に対するハイエンド半導体「HBM3E」の販売が遅れていると明らかにした。詳細については触れていない。
AIサーバーに使用される利益率の高いチップは半導体市場の回復をけん引しているが、サムスンは米エヌビディアへのHBMチップ供給で、SKハイニックスに遅れをとっている。
サムスンが競合他社よりも依存しているパソコンやスマートフォンに使用される汎用チップの需要は依然として低迷しているとアナリストは指摘する。
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